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「作文の覚悟」

Posted June. 20, 2022 09:08,   

Updated June. 20, 2022 09:08

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「私の夢は、最初から作家になることだった。(中略)医師や警察官になるのは、一つの『進路決定』だが、作家になるのは違う。それは選択するより、選択されることだ。文章を書くこと以外に、どんなことも自分に似合わないという事実を受け入れれば、一生遠くて険しい道を歩む覚悟をしなければならない」(ポール・オースター著「その日暮らし」)

33歳で専業作家になることを決心して読んだこの本は、原題「Hand to Mouth」から分かるように「一日稼いでその日を暮らす」無名作家のデビュー記だ。今はスターの列に加わったポール・オースターの若い日の手当たり次第のライティングライフを読みながら、私も心を新たにして、作文の秘密を悟るために書き下ろした。

私たちはなぜ文を書くのか?ある人は、なぜ貧しくて困窮することが明らかな創作の道を黙々と歩んでいくのか。それは、彼が自分の時間をお金を稼ぐのに使うより、世の中の裏を見て文で書くことを好むからだ。彼は苦労して話を書いた後、世の中にそれを聞かせたいと思い、人々は彼を作家と呼ぶ。

専業作家として出て、7年が経ってから、私は小説家としてデビューすることができた。「その日暮らし」の「ライティングの覚悟」が、長い時間を耐えさせてくれた。生活苦で諦めたくなるたびに、「大丈夫。私もポール・オースターのように、この大変な時期について書く話が積もるだけだ」と自分を慰めた。その後、再び8年間が流れて積もった話を、「毎日書いて、また書いて、最後まで書きます」という本で作り出した。

この本は、私だけの「作文の覚悟」への答えであり、韓国版の「その日暮らし」で、作家志望生たちに役に立つことを願ったが、あまり売れなかった。それでも答案を出したからか、次の本「不便なコンビニ」は肩の力を抜いて書くことができた。そうして、作家は文を書くこと以外は、どんなことも自分に似合わないという事実を再び受け入れるようになった。