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「偽」と「偽」が会って本当の人生を見出す

「偽」と「偽」が会って本当の人生を見出す

Posted April. 12, 2022 08:41,   

Updated April. 12, 2022 08:41

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米ニュージャージー州のある小都市。大型マートの従業員である韓国系国際養子のスアが、怪しい老人ネブラに会い、話しかける。自分は写真家だと偽ったスアに、ネブラは撮影を依頼する。撮影をしているうちに知ることになったネブラの正体。彼は、狂気の殺人魔と呼ばれた独裁者の4人目の代役俳優だった。

ソウル中区(チュンク)の国立貞洞(チョンドン)劇場で1日に開幕したミュージカル「ショーマン:ある独裁者の4人目の代役俳優」は、偽独裁者と偽写真家が会って、各自が本来の自分を探す過程を描く。「女神が見ておられる」、「レッドブック」を作った「『ハン・イ・パク』トリオ」(ハン・ジョンソク作家、イ・ソンヨン作曲家、パク・ソヨン演出家の3年ぶりの新作だ。

よく他人の真似をした8歳の少年時代から劇団で端役を転々とした青年、独裁者の代役で大衆演説をする時まで・・・。主人公ネブラを演じる俳優ユン・ナム氏とカン・ギドゥン氏は、年齢を超越した演技で一人の男の人生を描く。彼をそばで見守るスア(パク・ランジュ、チョン・ウソン)は、自分を体の弱い弟の世話をする保母程度に考えて生きてきた。職場でも病気のために空席になった上司の職責を担おうと上司の行動と考え方を追求し、自身の姿を作っていく。他人を模倣して生きていくという点で、スアは嫌悪するネブラと違わないことに徐々に気づいていく。

作品の初めと終わりを飾るナンバー「人生は私の背丈ほど」の舞台演出は、劇全体を含む。深海のような青色の照明が全身を覆えば、ネブラは両手をあげてもがく。この時、鳴り響くナンバー「人生は・・・」中の歌詞、「人生は私の背丈ほどの深い海」について作家のハン・ジョンソク氏は、「いくら背を越える深さの海でも、熱心に這い上がってこそ息ができるという人生のくびきを表現したかった」と話した。

「オリジナル」、「グッドガール」などのナンバーは、すぐに口ずさむことができるほど聴きなれている。ミュージカルでは、馴染みの薄いトランペットを含め、ヴァイオリン、チェロなど6人組の管弦楽団が生演奏を披露するのも魅力だ。作曲家のイ・ソンヨン氏は、「ネブラが感じた寂しさとトランペットがよく合うと考えたが、結果的に実によく合う楽器だった」と話した。5月10日まで、全席7万ウォン。


李知訓 easyhoon@donga.com