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李氏も尹氏も「統合政府」を約束、口先だけでなく青写真を

李氏も尹氏も「統合政府」を約束、口先だけでなく青写真を

Posted March. 05, 2022 08:26,   

Updated March. 05, 2022 08:26

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韓国大統領選の与党「共に民主党」候補の李在明(イ・ジェミョン)前京畿道(キョンギド)知事と保守系最大野党「国民の力」候補の尹錫悦(ユン・ソクヨル)前検事総長が、いずれも「統合政府」を主張した。李氏は4日、「理念と陣営を越える実用的国民統合政府を揺らぎなく推進していく」と述べた。尹氏は、中道野党「国民の党」候補の安哲秀(アン・チョルス)代表との野党候補一本化合意文で、「未来志向的で改革的な国民統合政府を通じて、すべての国政運営を正常化する」と主張した。一歩遅れて統合政府が今回の大統領選の公約として浮上している。

統合政府論は李氏が先に主張した。尹氏と安氏の候補一本化の流れに対抗する性格が濃厚だった。安氏を一本化構図から離脱させ、革新系野党「正義党」候補の沈相奵(シム・サンジョン)元代表まで合わせた統合政府ビジョンによって尹氏を孤立させるという選挙戦略の一環だった。尹氏が安氏との一本化の成功を機に、政権交代と合わせて国民統合政府の構成を宣言したのも同じ理由と見るべきだろう。自分を狙った李氏の包囲戦略への対抗として統合政府を持ち出したのだ。

 

将来の展望と時代精神が見られないという批判を受けてきた今回の大統領選で、今からでも統合政府競争に火がついたことは望ましい。事実上、李氏と尹氏の対決構図に整理された大統領選は、誰になっても「完全な」大統領にはなれない。政界も国民も二分され、陣営対決は激しかった。選挙戦略を離れ、統合政府が共生と協治の次元で必ず実現されなくてはならない理由だ。

言葉はもっともらしいが、両候補が統合政府をどのように実現するのか依然として具体的でない。李氏は、安氏、沈氏だけでなく「ウリ共和党」の趙源震(チョ・ウォンジン)候補にまで連帯を提案したという。どのような哲学と価値で様々な勢力を一つにし、内閣にも布陣させて国政を運営するのだろうか。「国民の力」が「国民の党」と大統領選直後に合流することになれば、安氏側との共同政府という話が成立するのか、李氏が話す統合政府とは何が同じで違うのかも明らかでない。

 

歴代大統領も大統領選の度に「統合大統領」を叫んだが、口先だけに終わった。今回は統合政府という概念が登場した。再び耳当たりのよいレトリックに終わってはならない。残された大統領選の期間、責任首相制をどのように実現するのか、陣営を越えてどのような人を起用するのか、野党や野党陣営の人々の意見をどのように反映させるのか、もう少し明確な統合政府、統合内閣の青写真を出し、有権者の判断を受けることを望む。