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暴言、嫌悪、葛藤の大統領選挙、「国民統合」は口先だけだったのか

暴言、嫌悪、葛藤の大統領選挙、「国民統合」は口先だけだったのか

Posted February. 19, 2022 08:41,   

Updated February. 19, 2022 08:41

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3月9日に行われる大統領選の公式選挙運動が本格化し、「非好感」の本性が表れている。「牛の皮の儀式」、「パラサイト」など刺激的な用語が乱舞する。有力候補らも「呪術師」、「ファシスト」など険しい言葉を吐き出している。口では国民統合を叫ぶが、むしろ有権者の心をちりぢりに裂くような恰好だ。

与党大統領選候補の李在明(イ・ジェミョン)前京畿道(キョンギド)知事は17日、「崔順実(チェ・スンシル)国政壟断」事件に触れ、「崔氏は占いはしたが、呪術はしなかったようだ。私は呪術師が行けという所ではなく、国民が行けという道を行く」と述べた。最大野党「国民の力」の候補、尹錫悦(ユン・ソクヨル)前検事総長に「巫俗フレーム」をかぶせたのだ。金宜謙(キム・ウィギョム)議員は、コンジン法師という人が2018年に「皮をはがした牛」で猟奇的な儀式を主幹したとし、「生きている牛の皮をはぐ残忍な儀式に、自分たちの名前が書かれた燈をつけて何を祈ったのか」とし、尹夫妻を攻撃した。

尹氏は、「政治報復」主張について、「自分の罪は覆って、他人にはしたこともない罪を作って扇動する。これは元来ヒットラーやムッソリーニのようなファシスト、そして共産主義者がする手法」と述べた。自身を青年ゲッベルスと批判した与党を李俊錫(イ・ジュンソク)代表が嫌悪政治と指摘したことがあるが、尹氏も同様の攻勢を繰り広げたのだ。また、「国民の力」の人々は、金恵景(キム・ヘギョン)氏の法人カード有用疑惑に食いつき、「パラサイト家族に国を任せていいのか」と批判した。

大統領選が国民統合のお祭り広場、国家の未来のための巨大な談論の場になるよう願うこと自体が虚しい期待であることが分からないわけではないが、この程度まで限度を超えることは前例を見ない。米国、英国の有力メディアが相次いで「スキャンダルと口論、侮辱に見舞われた歴代最悪の選挙」、「韓国民主化後35年の歴史上、最もおぞましい(most distasteful)」と厳しい評価を出したほどだ。

 

与野党および有力候補らは、このような懸念と批判はうわの空で聞かず、刺激的な言葉の刃を刺すことに余念がない。このような形の死を覚悟した決断、泥沼の争いでは大統領選の結果に関係なく多くの国民の心に錯綜感や虚しさだけを残す。国家的に厳しい時、国政協力も見通しが暗くなる。道徳性検証は必要だが、根拠を持って論理的に問わなければならない。両候補が強調してきた国民統合が口先だけにならないよう今からでも嫌悪と対立を助長する低質なネガティブ戦を止め、自重することを願う。