6日に閉幕した米男子ツアー(PGA)プレーオフシリーズ最終戦のツアー選手権は超高額賞金がかかる大会として知られる。フェデックスカップポイント上位30人だけが出場した同大会にかけられた賞金総額は6000万ドル(約700億ウォン)だった。超高額賞金の主人公は米国のパトリック・カントレー(29=世界ランキング4位)だった。世界ランキング1位のジョン・ラーム(スペイン)を1打差で引き離したカントレーは、優勝ボーナス1500万ドル(約175億ウォン)を受け取った。
そしてもう1人「金持ち」になった人がいた。USAトゥデイとヤフースポーツなど海外メディアは9日、キャディーを務めたマット・ミニスター(47)の「人生逆転」の話を紹介した。
PGAツアーで優勝した選手は一般的に賞金の10%をキャディーに渡す。ミニスターは地元メディアのインタビューで、「いくら受け取ったかはお互いに公開しないことにした」と言葉を控えたが、10%で計算すれば150万ドル(約17億5000万ウォン)を受け取ったことになる。USAトゥデイは、「正確な金額は分からないが、一般の人が一生稼げる金額より多くを受け取ったことは確かだ」と伝えた。
カントレーは先月30日に終わったプレーオフ第2戦BMW選手権でも優勝したが、当時の優勝賞金は171万ドル(約20億ウォン)だった。ミニスターはたった2試合で約20億ウォンを稼いだことになる。
若い時にゴルフ選手だったミニスターは、プロとしては成功しなかった。その代わり、早くからプロ選手のキャディバッグを担ぐキャディ生活を始めた。2012年からはペ・サンムン(35)のキャディとして活躍しながら2度のPGAツアー優勝を経験した。
カントレーとは2017年に初めて会った。当時、腰の手術で2年以上休んでいたカントレー側が先にキャディバッグを担いでもらえないかとオファーし、ミニスターは快く受け入れた。その後、すべてが順調だった。同年から今回のツアー選手権まで、二人は6回も一緒に優勝トロフィーを掲げた。優勝賞金だけで3500万ドル以上だったので、ミニスターも350万ドル以上稼いだと言える。
ミニスターはシーズン真っ最中だった今年8月初め、新型コロナウイルスの陽性判定を受け、2週間ほどフィールドを離れなければならなかった。しかし元気になって復帰してから、最も重要な2試合で優勝を果たした。
ミニスターは18歳のカントレーのことを「ボス(Boss)」と言う。カントレーは時たま彼のことを「パパ(Dad)」と呼ぶ。カントレーは「マットは僕を楽にしてくれる人だ。いつも頼れる」と話した。
李憲宰 uni@donga.com