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風が吹く日

Posted April. 03, 2021 08:04,   

Updated April. 03, 2021 08:04

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春が来れば、花が咲く。花が咲けば、散る。つぼみ、咲き、散るまでの過程を私たちは1ヵ月足らずの短い期間に見ることができる。花の一生を見れば、美しいだけではない。それは意味があり情緒がある。花の一生を通じて、人間の一生を振り返ることができるからだ。

他人の人生は見ることができても、自分の人生全体を見ることはできない。誰にでもつぼみの大切さが、咲くことのきらびやかさが、散る花の眩しさがあるはずだが、しばしば忘れて暮らしている。だから春の花が咲いて散るのは、私たちの人生が花と違いがないことを伝えようとする自然の深い意味なのかもしれない。

このような考えが私一人だけだとは思わない。今日の詩にも同様の話があるからだ。詩に驚かされるのはまさにこの点だ。自分だけの孤独な考えなのかと思いながらも、詩を読んでいると、似た同志、ぴったり合う表現に出会う。

花が咲く、咲くと言っているうちに花が咲き、花が散る、散ると言っているうちに花が散る。来る歳月、行く歳月が明確で、花が咲いて散ることが悲しい。詩人の言葉に、花を見たように振り返る人生の流れが含まれている。春の情緒をこのように正確に詠むとは、他人の言葉にもかかわらず、とても近くに感じられる。4月の叙情は、来いと言わなかったのに来て、行けと言わなかったのに行く。花も、春も、人生も然り。

文学評論家