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退任前の「セルフ恩赦」カード取り出したトランプ氏、「ロシア疑惑」フリン氏に恩赦

退任前の「セルフ恩赦」カード取り出したトランプ氏、「ロシア疑惑」フリン氏に恩赦

Posted November. 27, 2020 09:13,   

Updated November. 27, 2020 09:13

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任期が2ヵ月も残っていないトランプ米大統領が25日(現地時間)、フリン元大統領補佐官(国家安全保障担当)に恩赦を与えた。トランプ氏が退任前に、司法当局の捜査や判決を控えた側近や家族に対して恩赦権を乱用しかねないという懸念が現実になったのだ。

 

トランプ氏は同日、ツイッターで、「フリン将軍に完全な恩赦が与えられたと発表することを大変光栄に思う。おめでとう。本当に素晴らしい感謝祭を過ごすことになる!」と投稿した。

フリン氏は2016年の大統領選で、ロシアがトランプ陣営と結託して選挙に介入したという「ロシア疑惑」に関与し、捜査を受けてきた。トランプ氏の当選後、大統領補佐官に内定したフリン氏は当時、駐米ロシア大使に接触し、対ロシア制裁を解除することを協議したが、連邦捜査局(FBI)には協議について虚偽の説明をした。トランプ氏の就任直後、虚偽の説明が明らかになり、フリン氏は就任24日で辞任した。

フリン氏は2017年、ロバート・モラー特別検察官チームにも関連内容を認めたが、昨年突然疑惑を否定した。まだ裁判所の最終判決が出ていない事件の被疑者にトランプ氏が恩赦を与えたことに対して、民主党内の反発が強い。米議会下院のジェロルド・ナドラー司法委員長は、「受ける資格も、原則もない恩赦」と非難した。

 

以前にも恩赦めぐって論議が起こった。7月に、ロシア疑惑に関与したトランプ氏の最側近で政治戦略家のロジャー・ストーン氏を減刑し、大きな反発を受けた。8月にも、マネーロンダリング疑惑などで終身刑を受けた黒人麻薬犯と銀行強盗前科者に対して、共和党全国大会で自身のために演説したという理由で恩赦を与えた。

さらなる恩赦候補も米メディアが伝えている。選挙資金法違反疑惑で検察捜査を受けているにもかかわらず、現在、大統領選不正訴訟を起こしているジュリアーニ元ニューヨーク市長が代表的だ。詐欺疑惑で捜査を受けているスティーブ・バノン元米大統領首席戦略官も恩赦の候補に名前が挙がっている。

金融不正や性犯罪の疑いを受けているトランプ氏がいわゆる「セルフ恩赦」をする可能性もある。CNNは、「トランプ氏が『私は自分を恩赦する権利がある』と話してきたが、これを実行する場合、罪を自ら認めることになるため迷っている」と報じた。


兪載東 jarrett@donga.com