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新型コロナ、米国の死者数がベトナム戦争を上回る

新型コロナ、米国の死者数がベトナム戦争を上回る

Posted April. 30, 2020 07:55,   

Updated April. 30, 2020 07:55

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米国内の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による死者数が28日(現地時間)、ベトナム戦争での米軍の戦死者の数を上回った。米国では徐々に経済活動が再開されているが、感染者・死者の増加傾向は続いており、「戦争より恐ろしいウイルス」の威力が弱まる気配がない。

同日、国際統計サイト「ワールドメーター」などによると、米国内の死者数は前日より2470人増えた5万9266人と集計された。米国では2月6日に初めて死者が出た後、3月31日に3千人を超え、9・11テロの犠牲者数(2977人)を上回った。その後1ヵ月もたたずに6万人に迫っている。感染者数は前日100万人を超えたのに続き、同日は103万5765人となり、世界の感染者の約3分の1を占めている。

米紙USAトゥデイをはじめ米国のメディアは、新型コロナウイルスの死者が、米国民にとって「悪夢」のベトナム戦争での死者数より多いことに注目した。1955年から75年までの20年間続いたベトナム戦争で犠牲になった米国の兵士は5万8220人。2003~11年のイラク戦争の米軍兵士の死者4424人と比べると、新型コロナの死者が13倍以上多い。

実際の死者は公式の統計より多いという分析が優勢だ。米紙ニューヨーク・タイムズは、米疾病管理センター(CDC)が3月8日~4月11日のコロラドなど7州の全体死者数を集計した結果、平年より5割以上増えたとし、新型コロナウイルスの死者数が過小集計された可能性があると分析した。

 

ホワイトハウスの新型コロナTF(タスクフォース)は夏には感染拡大の傾向が鈍化するとみているが、8月までに死者数は7万4千人に達すると予想している。米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は、「新型コロナウイルスは地球から消えないだろう」とし、「効果的な治療法が見出せなければ、『最悪の』秋を迎える恐れがある」と懸念を示した。

新型コロナウイルスの感染拡大で、米国では肉類をはじめ食材の不足現象まで起きている。トランプ氏は同日、国防生産法(DPA)を動員して新型コロナウイルスの感染拡大で閉鎖した肉類加工施設に対する再稼働を命じた。米国内で少なくとも22の肉類加工施設がこの2ヵ月間閉鎖し、豚肉生産の25%、牛肉生産の10%が減少している。屠殺場など肉加工施設が閉鎖して販路が閉ざされた農民は家畜を殺処分しなければならない状況となり、影響が連鎖的に波及している。

 

このような中、トランプ氏は同日、ホワイトハウスで記者団に、「私たちはすべての国を合わせたよりも多く検査をした」、「私たちの検査は質も規模も最高だ」、「実に上手にやってきた」と自画自賛した。「皆韓国の話をするが、私は文在寅(ムン・ジェイン)大統領と仲が良い。彼は、米国がどれほど検査を上手くやってきたか話すだろう」と述べた。現在まで、米全域で約579万5700件の検査が行われたが、州知事は「まだ検査の装備が十分ではない」と困難を訴えている。

 

一部の州は、「時期尚早」という医療専門家の懸念にもかかわらず「ソーシャルディスタンス」の規制緩和に乗り出している。ジョージア州やテネシー州、テキサス州などが規制を緩和してレストランやスポーツジムなどを再開させるほか、アラバマ州やミズーリ州も次々に指針を緩和する予定だ。


ワシントン=イ・ジョンウン特派員 ニューヨーク=パク・ヨン特派員 lightee@donga.com · parky@donga.com