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新型コロナ、NY近郊で集団感染、「封じ込め区域」設定

新型コロナ、NY近郊で集団感染、「封じ込め区域」設定

Posted March. 12, 2020 08:24,   

Updated March. 12, 2020 08:24

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米最大都市ニューヨーク市近郊のユダヤ教徒密集地のニューロシェル市で、新型コロナウイルスの感染が多発し、この地域が「封じ込め区域」に指定された。新型コロナウイルスの感染拡大を阻止するために州兵が投入されるなど、不安が大きくなっている。

ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は10日(現地時間)、「新型コロナウイルスが集団発生したニューロシェル市を12日から25日まで封じ込め区域に指定する」とし、「これは生死の問題であり、特別な公衆衛生戦略が必要だ」と明らかにした。このため、多くの感染者が発生したニューロシェル市のシナゴーグ「ヤング・イスラエル・オブ・ニューロシェル」の半径1マイル(約1.6キロ)内の学校や宗教施設などが閉鎖される。州兵は、低所得層の学生のための食料配達や消毒作業に投入される。

 

約8万人の住民に対する移動の制限や道路の封鎖はなされなかった。しかし、街に軍服を着た州兵が現れることになれば緊張が高まり、住民の動揺が予想される。ニューロシェル市のノアム・ブラムソン市長は同日、記者会見で、「州兵は軍事や警察業務ではなく私たちを助けるために来る」と住民に理解を求めた。ニューロシェル市は17世紀、宗教迫害を逃れてフランスのラ・ロシェル地域から来た新教徒が建設した。現在、ユダヤ系住民は約17%。

3日、ニューヨーク市マンハッタンで働くニューロシェル市在住の50代の男性弁護士が、新型コロナウイルスに感染したことが確認され、広範囲な市中感染が始まった。翌日、この弁護士の妻、2人の子ども、男性を車で病院に連れて行った隣人など9人が感染した。弁護士が通っていた「ヤング・イスラエル・オブ・ニューロシェル」のラビも感染の陽性が確認された。ユダヤ教の成人式「バル・ミツワー」と安息日の礼拝に参加した教会信者に14日間の自宅待機措置が下されたが、市中感染の拡大には力不足だった。

 

同日、ニューヨーク州全体でも新型コロナウイルスの感染者が前日より31人増加した173人となった。ニューヨーク市で36人、ニューロシェル市があるウェストチェスター郡で108人の感染が確認された。

ニューロシェル市はマンハッタンの交通拠点であるグランドセントラル駅から約27キロ離れ、マンハッタンの通勤者が多く居住する。このため、「通勤列車」に乗ってマンハッタンを往来する住民によってニューヨーク全体に新型コロナウイルスが拡散することが懸念されている。ウェストチェスター郡在住のAさんは、「列車に乗ってマンハッタンに出勤するのが不安だ。在宅勤務を考えている」と話した。

 

米全体に新型コロナウイルスの感染が拡大している。米国内の新型コロナウイルスの感染者は前日より277人増えて1009人と集計され、死者は5人増えて31人となった。市中感染が本格化し始めたという分析が出ている。米国立衛生研究所(NIH)傘下の国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は、「1ヵ月前にできたことができなくなったということを国全体が知ってほしい」と強調した。

地域ごとに拡散防止のための緊急対策が実施されている。米紙ニューヨーク・タイムズによると、感染者が最も多いワシントン州のジェイ・インスレー州知事は11日、シアトル地域で250人以上が集まる宗教行事およびイベントなどの禁止を発表することを決めた。カリフォルニア州サンタ・クララ郡も1千人以上集まる大規模イベントを禁止した。CNNは4月に予定された音楽祭「コーチェラ・フェスティバル」が10月に延期されると伝えた。

トランプ大統領が推進している新型コロナ対策の景気刺激策が産みの苦しみを味わっている。同紙は、「大統領が与党共和党の上院議員に、年末までに給与税を免除することを提案した。目が飛び出るほどの8千億ドル(約950兆ウォン)の提案だが、野党民主党だけでなく共和党議員の支持も得ることができないようだ」と伝えた。共和党指導部は、給与税減税の景気対策の効果に対して疑問を示している。民主党は、感染した労働者のための失業手当て、有給病気休暇、感染者の診断・治療費の支援などの対策を提案しているという。


朴湧 parky@donga.com