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男女区別のない「ジェンダーレスAI」の声が登場

男女区別のない「ジェンダーレスAI」の声が登場

Posted March. 27, 2019 08:36,   

Updated March. 27, 2019 08:36

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英国の有名歌手サム・スミス(27)は15日、「私は男性でも女性でもなく、その真ん中のどこかに浮かんでいる」と明らかにした。特に「男女の二分法的区分をしない『ノンバイナリー(non-binery)』の概念を知ってからは、自分のアイデンティティに気づいた」と主張して、世界の性少数者から支持を受けた。スミスのように自分をノンバイナリーと規定する人たちは、「彼」や「彼女」の代わりに「彼ら(they、them)」と称する。

米情報技術(IT)専門月刊誌ワイアードは最新号で、「人工知能(AI)の音声支援サービスにも、ノンバイナリーが使われている」と報じた。北欧のIT企業ヴァーチュー・ノルディックとデンマーク人権団体「コペンハーゲンプライド」が一緒に作ったAIボイス「Q」は、最初の無性別音声、つまり「ジェンダーレスAIボイス」を目指す。「Q」を開発した人々は、男性、女性、トランスジェンダー、ノンバイナリーなど、複数の性別に属する人々の声を合わせてこれを誕生させた。145~175Hz(ヘルツ)の音域を持つこの声は、男性的でも女性的でもないとワイアードは伝えた。

世界の音声支援サービス市場を占める二大山脈は、アップルのシリとアマゾンのアレクサだ。両方共に女性の声を基本とする。女性界の一部からは、これに対して不快な反応を見せる。日程管理など、いわゆる「秘書の仕事」になぜ女性の声だけを使うのかという理由からだ。一方、アップルとアマゾン側は、「女性の声はリスナーから親近感と好感を得るのにいい」と主張している。もちろん男性の声に変更することもできる。

「Q」の制作に参加した科学者ジュリー・カーペンター氏は、米技術専門誌ファースト・カンパニーとのインタビューで、「アレクサのようなサービスが、女性は『働く人を助ける存在』という既存の性観念を強化しかねない」と指摘する。彼は、「特定性別の声ではなく、ただの人間の声のようにだけ聞こえるようにしようという観点から『Q』の制作を開始した」と強調した。


任寶美 bom@donga.com