Go to contents

墨光の湯飲みの奥深い味…東アジアの茶の文化に会う

墨光の湯飲みの奥深い味…東アジアの茶の文化に会う

Posted August. 08, 2018 09:37,   

Updated August. 08, 2018 09:37

한국어

1323年6月、2万点の焼き物とコイン約28トンなどを載せた貿易船が、中国慶元(現在の浙江省寧波)から日本博多(福岡)に向け出発した。しかし、航路から外れた船は、全羅南道新安郡(チョンラナムド・シンアングン)の沖合に沈没した。1975年8月、とある漁師の網に青磁の花瓶がかかって水揚げされたことで、難破船は652年ぶりに眠りから目を覚めた。韓国水中考古学の出発を知らせた「新安船」である。

国立中央博物館で最近、新安船から見つかった「黑釉瓷」180点を披露する異色の展示会が開かれた。黑釉瓷はお茶の文化が盛んだった中国の宋時代に流行した。西洋では泡をのせたカプチーノが流行したように、当時の東アジアでも泡を立てるお茶が人気を集めた。これには、白泡の色を引き立たせる黒茶碗が愛用された。

黑釉瓷は皇室や貴族が主に利用して、工芸レベルが高いのが特徴。今回の展示では、摂氏1300度の高温で鉄柄が流れ落ちる過程で作られたウサギの毛柄装飾の黑釉瓷と仏教の禅宗思想を形象化したクチナシの花柄の陶器などを公開する。

国立中央博物館のキム・ヨンミ学芸研究士は、「新安船の黑釉瓷を通じて泡を立ててお茶を飲む點茶方式から、茶葉を沸かしたり、煎じたりする泡茶に変わっていく東アジアの茶文化の変遷も知ることができる」と説明した。


柳原模 onemore@donga.com