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[オピニオン]カストロと金日成の違い

Posted November. 29, 2016 08:33,   

Updated November. 29, 2016 08:34

フィデル・カストロと言えば、カーキ色の軍服を着てあごひげを生やし、葉巻をくわえている姿がトレードマークだ。米中央情報局(CIA)は、カストロのリーダーシップがあごひげから出ていると信じ、あごひげを剃る計画を立てたこともある。スポーツマンのカストロは、他のキューバ人と同じように熱烈な野球ファンだった。北朝鮮の金日成(キム・イルソン)主席の趣味は何だったのか。銃を撃つこと? あまり思い浮かばない。二人とも独裁者だったが、金主席は畏敬の念で体制を維持し、カストロは親近感で体制を維持した。

◆金主席は行く先々に自分の銅像を建てたが、キューバにはどこにもカストロの銅像はない。その代わり、ベレー帽をかぶったチェ・ゲバラの銅像がある。キューバは、カトリックの伝統が深く、権力者の偶像化が容易ではなかったのだろうか。ただ、ゲバラとカストロはカトリックの父と子と聖霊の三位一体のように二位一体だった。理想主義者のゲバラは、現実主義者カストロのおかげで不滅を得、現実主義者カストロは理想主義者ゲバラのおかげで90才の天寿を全うした。

◆カストロは、体制に不満を持つ住民に行くなら行けといった態度だった。1980年、数人のキューバ人がハバナのペルー大使館の正門をトラックで壊して入り、亡命を要請した後、12万5千人がキューバを離れた。カストロがマリエル湾を開放し、出て行きたければ出て行けというと、米国はむしろ湾を封鎖するよう圧力をかけた。1994年の経済危機の時も同様のことがあった。カストロは、金主席と違って体制に加えられる圧力を押すのではなく開放して調節することができた。そのためキューバを北朝鮮よりも恐怖なく見ることができた。

◆米国のドナルド・トランプ次期大統領がカストロを「野蛮な独裁者」と呼んだ。金日成一家をどんな独裁者だと呼ぼうか。カストロは、キューバを蟻に米国を象にたとえ、「蟻は象が決心するまで何もできない」と国家の境遇を嘆いたことがある。カストロの生前は、その蟻が象の目の前で57年間生き残った。奇跡のようなことだが、北朝鮮のことを考えると気分のいい奇跡ではない。

宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員pisong@donga.com



송평인기자 ソン・ピョンイン記者 pisong@donga.com