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[オピニオン]アニメ聖地巡り

Posted September. 22, 2016 08:34,   

Updated September. 22, 2016 08:38

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日本長野県上田市内から少し離れた田舎町の閑散としてバス停。あまり変わったところでもないのに、ここまで訪れてきては写真を撮る観光客が後を絶たない。日本アニメ映画の次世代看板と言われている細田守監督の「サマーウォーズ」の背景として登場したおかげだ。2009年に映画公開後、静かな田舎町は、漫画のファンたちがよく訪れる観光名所に生まれ変わった。ほかならぬアニメ映画の力だ。

◆世界的巨匠である宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」は2002年、ベルリン国際映画祭の金熊賞やその翌年のアカデミー賞授賞式で、長編アニメーション賞を受賞した。引っ越しの途中に豚に変わった母や父を助けようと、八百万の神々が客として集う湯屋で働く少女の冒険を描いた。映画の中の背景のモチーフは、東京小金井市江戸東京たてもの園から借りてきた。歴史的建築物を保存展示した屋外博物館で、漫画のマニアたちの必須コースとなっている。

◆ドラマ「秋の童話」で、春川(チュンチョン)南怡(ナミ)島は外国人たちの定番観光地に浮上した。過去の名所旧跡中心の観光から、今は映画やドラマの中のロケ地が脚光を浴びる時代となっている。日本はアニメ大国のメリットを生かしていち早く対応している。最近、アニメや漫画の中の舞台として登場した実際の場所に、外国人観光客を誘致するため、アニメーションツーリズム協会を立ち上げた。年末までインターネットなどで候補地を募集し、88ヵ所を「アニメ聖地」に選ぶ計画だ。

◆この協会の目標は、全国各地の88ヵ所をつなげて、新しい観光商品を開発することだ。漫画の中の背景を「聖地」に煽てながら、日本航空や成田空港、旅行会社などの関連企業が参加して、全力を傾けるという構想だ。旅行コンテンツの開発だけでなく、日本は、アニメ制作現場を再現した「ジブリ美術館」、漫画雑誌「週刊少年ジャンプ」のキャラクターを活用したテーマパークなどで、漫画マニアを虜にすることに力を入れてきた。アニメで描いた日本の顔は、世界人から愛されることに成功した。我々は何をもって韓国の顔を描くつもりなのか、創造観光について考えるべき時期に来ている。

高美錫(コ・ミソク)論説委員 mskoh119@donga.com