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[オピニオン]與時齋研究所を独立させた趙昌杰の夢

[オピニオン]與時齋研究所を独立させた趙昌杰の夢

Posted August. 19, 2016 07:16,   

Updated August. 19, 2016 07:51

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ハンセムの趙昌杰(チョ・チャンゴル)名誉会長(77)は、流し台がキッチン設備のすべてだった1970年代、キチン家具や立式厨房という概念を持ち込んできて、主婦だけの労働空間だった厨房を、家族の生活空間に変えた。彼は、経済専門誌「フォーブス」が韓国ではなかなか目にできないと主張した自力成功型金持ちだが、実際の年収は登記取締役5人の中で最も少ない。創業主という理由だけで、報酬を多く受け取るべきだという古い考え方が、この70代の老企業家にはない。

◆趙会長が昨日、研究財団法人「與時齋(時代と共にする家)」を発足させたのは、彼と韓国社会には新しい挑戦だ。従来の民間研究所が企業や政府の口に合う報告書だけを量産する風土の中、現実を客観的に批判するシンクタンクを作りたいと主張して、私財をはたくのは奇行に近い。政府からにらまれるかもしれない冒険はするなと周りから引き止められたが、彼を思いとどまらせることはできなかった。

◆米ニューヨークタイムズは最近、ブルッキングス研究所が企業に下書き報告書の内容を予め知らせた後、最終報告書に財界の声を反映したと暴露したことで、米社会が大騒ぎとなった。企業の影響力を高めるのに利用され、ブランドキャンペーンの道具になった研究所は、シンクタンクではなく、「イデオロギー産業」の付属品に過ぎない。ブルックキングスは最初から結論づけておいた悪意的報道だと反ばくしたが、恥ずかしい素顔を隠すことはできなかった。

◆趙名誉会長は昨年3月、社内研究財団「ハンセムドゥビュー」に保有株の半分である260万株(4400億ウォン分)を順次拠出することを決め、まず60万株(1000億ウォン分)を寄付した。しかし、このような財団構造では、企業の機嫌を窺いながら研究せざるを得ないという限界を自ら認め、與時齋では理事ポストを辞任した。普段、勉強会を通じて知り合いとなった李憲宰(イ・ホンジェ)元経済副首相を理事長に選任し、全ての研究を一任した。與時齋理事会は、金鉉宗(キム・ヒョンジョン)元国連大使、安大熙(アン・デヒ)元最高裁判官、金道然(キム・ドヨン)元教育科学技術部長官、朴炳燁(バク・ビョンヨブ)元パンテック副会長などが参加するドリームチームだ。財政独立を実現した與時齋の次の課題は、政治的にも自分の声をハッキリ出して、韓国を代表する研究所に成長することだ。

洪守鏞(ホン・スヨン)論説委員 legman@donga.com