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[社説]在韓米軍司令官内定者が把握した韓半島の安保危機

[社説]在韓米軍司令官内定者が把握した韓半島の安保危機

Posted April. 21, 2016 07:21,   

Updated April. 21, 2016 07:31

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新しい在韓米軍司令官に内定したヴィンセント・ブルックス氏が19日、米上院軍事委員会の承認聴聞会で、「米国が『核の傘』を提供しなければ、韓国は自ら核武装することを検討しなければならないだろう」と述べた。これは、韓国の核武装を支持する発言ではなく、核不拡散と韓国の安全保障に向けて米国が提供する「核の傘」戦略の重要性を強調したものだ。米大統領選の共和党候補者指名争いでトップを走るドナルド・トランプ氏が最近、メディアとのインタビューで、米国が核の傘をやめて「韓日核保有を容認」することに言及したことへの反論の意味が強い。

ブルックス氏は、トランプ氏が取り上げた韓国の「安保無賃乗車論」についても、「昨年、韓国は米軍駐留人的費用の約50%の8億800万ドル(9158億ウォン)を分担し、毎年物価上昇に合わせて上げることになっている」と正確な数値を引用してトランプ氏の主張が誤っていることを指摘した。ブルックス氏は、高高度防衛ミサイル(THAAD)の韓半島配備問題について、「北朝鮮の脅威に対処する多層的ミサイル防衛の構築に大いに貢献する」という考えを示した。中国の北朝鮮抑止力といった敏感な問題については、「中国が金正恩(キム・ジョンウン)政権の存続を脅かすレベルの圧力を加えることはない」と指摘した。

米太平洋司令部の陸軍司令官として、いかなる質問にも断固として、厳しい現実に基づく論理で韓米同盟の価値を再確認させる態度は信頼を与える。人身攻撃の聴聞会に慣れた韓国としては、業務能力の検証に集中する議員や徹底した業務把握力を示す内定者がうらやましい。

ブルックス氏は、「金正恩第1書記は父親の金正日(キム・ジョンイル)総書記よりも傲慢で衝動的なので状況を誤認する危険性の高い独裁者」と強調した。その一方で、「金第1書記は北朝鮮の権力を完全に掌握したと見られ、政権崩壊を暗示するほどの不安定さは感知されていない」とし、金第1書記を牽制する人物がおらず「挑発」を止めることはできないと憂慮した。

新しい在韓米軍司令官が把握した韓半島の厳しい安全保障の現実に照らして、いざ大量破壊兵器を頭上に載せて暮らす韓国は、あまりにも安易でのんきだ。北朝鮮の核実験が迫っていると観測されているにもかかわらず、与野党の政治家は権力争いに明け暮れ、安保危機を取り上げる人はいない。ブルックス氏は、「在韓米軍は今夜にも戦う覚悟で、韓国と共に万全の態勢を整える」と述べた。このような言葉を韓国の安保当局者や政治家から聞きたいものだ。



허문명논설위원 ホ・ムンミョン論説委員 angelhuh@donga.com