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着メロで知られるタレガの「グラン・ワルツ」

着メロで知られるタレガの「グラン・ワルツ」

Posted December. 15, 2015 07:24,   

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先週、スペインの中部と南部地域を旅行しました。スペインが誇るマドリードのテアトロ・レアルでは、ヴェルディのオペラ「リゴレット」を、バルセロナのリセウ劇場ではドニゼッティのオペラ「ランメルモールのルチア」を観覧しました。特にマドリードで「生きているリゴレット」と呼ばれる73歳のバリトン、レオ・ヌッチが歌うリゴレットは素晴らしいものでした。ジルダ役を務めるオルガ・ペレチャッコと一緒に歌った第2幕二重唱は、観客の熱烈な喝采に応え、アンコールまで歌いました。

少し話がそれましたが、11日、7年ぶりに訪問したグラナダのアルハンブラ宮殿では、ギタリスト兼作曲家だったフランシスコ・タレガ(1852〜1909)を思い浮かべざるを得ませんでした。昔はイスラム君主の城だったが、キリスト教に征服されてから西欧様式の建物が加わった丘の上の美しい宮殿を見て、タレガはギター独奏曲「アルハンブラの思い出」を書きました。ひとつの音が小刻みに繰り返されるトレモロ奏法が印象深い曲で、ギターを演奏する人なら必ず通る「聖地」のような作品です。

ところで、タレガの作品の中で、さらに広く奏でられた旋律があります。1902年に作曲した「グラン・ワルツ」という曲です。聞きなれない曲ですね。いわゆる「ノキアの着メロ」で知られる曲です。

携帯電話メーカーのノキアは、1994年からこの曲の旋律の一部を自社の携帯電話に取り入れ、これはすぐに世界中で親しまれる旋律となりました。現在もこの旋律を携帯電話の着メロとして使用する人が多いです。2012年には、ルーマニアのあるビオラ演奏者が客席からこの着メロが聞こえると、それに応えて即興演奏を披露する映像が、インターネット動画サイトで話題になりました。

今日(12月15日)は、タレガが世を去ってから106年になる日です。タレガはギターが持つ技巧的な潜在力を全て引き出し、当代最高のヴァイオリニストだったパブロ・デ・サラサーテに例えられ、「ギターのサラサーテ」と呼ばれました。一人のギタリストを超え、ギターと言う楽器のステータスを一段と引き上げた人物とも評価されています。私も今日一日だけは、携帯電話の着メロを「グラン・ワルツ」にしておくつもりです。



gustav@donga.com