Go to contents

AIチップを買う予算がなく、かき集めたゲームチップで研究する大学

AIチップを買う予算がなく、かき集めたゲームチップで研究する大学

Posted May. 04, 2024 09:03,   

Updated May. 04, 2024 09:03

한국어

人工知能(AI)の技術戦争の現場にいる大学研究チームが、予算不足で最新のAIチップを確保できず、研究に支障をきたしていることが分かった。生成型AIモデルを作るために必要なNVIDIAの最新グラフィック処理装置(GPU)を手に入れることができず、急いでかき集めた旧型ゲーム用GPUで研究しているのが現状だ。研究者の間では、「他の国々は大砲を持って戦うのに、私たちは銃一本を持って技術戦争に飛び込んでいる」という嘆きが出ている。

最大の理由は、AIチップの価格は高騰しているのに、大学の研究費がこれに追従していないためだ。AI市場が拡大し、GPUなどは需要比供給が不足して価格が高騰している。一般的な水準のAI研究にも少なくとも5億ウォンは必要だが、工学分野の専任教員1人当たりの平均研究費は人件費を含めても2億5000万ウォンに止まる。旧型装置を利用して現在の世界最新並みのサービスを実現するには、100年以上がかかるほどだ。

苦労してチップを確保しても、大学内の電力不足で駆動できないことも多い。教授らが直接、電力の余る建物を探し、走り回らなければならない。使用可能電力は頭打ちの状態だが、追加電力の確保計画がないのが現状だ。政府が企業と大学に対して無償でGPUを提供する事業規模は、需要に比べてはるかに不足している。企業の寄付や投資で大学にGPUを大量に供給する米国や、政府レベルで複数の大学に共同でデータとコンピューティングのインフラを支援するカナダにはるかに遅れている。

さらに、AI競争において国家的戦略資産になる超高性能コンピューター(スーパーコンピューター)6号機の構築事業も、予算不足で遅々として進まない。研究環境がこうだから、わずか残っている研究人材も海外に離れるAI人材の純流出国になっている。政府は、AI分野でG3(主要3ヵ国)に跳躍するという青写真を出したが、劣悪な研究インフラを放置すれば、空しい叫びで終わる可能性がある。

世界各国は、AI技術戦争の主導権を握るため、国レベルで総力戦を繰り広げている。政府は、AIおよびAI半導体分野に対し、2027年までに9兆4000億ウォンを投資すると明らかにしたが、きちんと計画を立てて効率的に執行しなければならない。民間投資を促進し、研究開発(R&D)の水準を高めるためのインフラ構築と人材確保に乗り出すべきだ。AIは初期市場なので、まだ先取りの機会がある。しかし、これ以上ためらっていては、永遠にチャンスを逃すかも知れない。