Go to contents

[社説]脱北者9人の韓国行き、韓中関係の在り処を見せよ

[社説]脱北者9人の韓国行き、韓中関係の在り処を見せよ

Posted November. 19, 2015 07:16,   

한국어

韓国を目指した脱北者9人が先月ベトナムから中国に追放され、北朝鮮に強制送還される危機にある。北朝鮮との国境地域の吉林省図們に移送された脱北者の中には、現役の北朝鮮人民軍大尉や1歳の男児もいるという。政治的理由や経済的困窮のために命をかけて死地を脱した彼らが北朝鮮に送り返されれば、苛酷な処罰を受けることは間違いない。中国が彼らを意思に反して北朝鮮に送還しないよう韓国政府は外交努力を尽くさなければならない。

金正恩(キム・ジョンウン)政権後、北朝鮮は人民武力部所属だった国境警備隊を国家安全保衛部所属に移し、脱北取締りを強化した。鴨緑江(アプロクカン)と豆満江(トゥマンガン)の主な脱北ルートには、鉄柵と監視カメラが設置された。見つかる危険が高まり、脱北者の渡河費用も400万〜500万ウォンから豆満江の一部の地域では1500万〜1700万ウォンにまで上がったという。今年国内に入ってきた脱北者は月平均98人で、12年ぶりに初めて100人未満に減少したのも、脱北が難しくなった状況が作用した。

通常の脱北ルートは、中国に来て第3国を経由するルートだ。中国で公安の取締りにひっかかれば、大金を投じて強行した脱北が水の泡になる。特に中国は、脱北者を国際難民と認定せず、経済的理由で暫定的に越境した人と見なす。規模が小さかったり世間の関心がない場合は韓国行きを黙認するが、そうでない場合は北朝鮮との協約により北朝鮮に強制送還する非人道的措置を取っている。国連安保理常任理事国であり人権理事会理事国である中国は、脱北者を強制送還してはならないという国連の勧告を守る義務がある。

朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議(18、19日)で中国の習近平主席と、アセアン+3および東アジア首脳会議(21、22日)で李克強首相と会う。中国傾斜論が出ているほど韓中関係が最上だというなら、朴大統領は中国指導者に北朝鮮への送還中止を要請し、中国もこれを受け入れなければならない。朴大統領は2013年6月の韓中首脳会談の時も、習主席に脱北者の人権問題について話した。今回、中国が脱北者問題をどのように処理するか見れば、韓中関係の在り処が分かるだろう。