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[社説]輸出は6年ぶりの最大の下げ幅、政治や外交の役割も大きい

[社説]輸出は6年ぶりの最大の下げ幅、政治や外交の役割も大きい

Posted November. 02, 2015 07:12,   

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韓国の10月の輸出高は435億ドルと、昨年同月より15.8%減少したと、産業通信資源部が昨日発表した。月間減少率は、2009年8月以降6年2か月ぶりに最大の下げ幅を記録した。年明けから、輸出や輸入が10か月間続けて減っており、2011年から昨年までの4年間続いてきた「年間交易1兆ドル」行進が打ち切られることが確実とみられる。この半世紀の間、国家経済の主要エンジンとして韓国を世界上位10位圏の経済大国に育ててきた輸出が墜落するのは、製造業、さらには韓国経済の危機へとつながりかねない深刻な事態だ。崔鍫煥(チェ・ギョンファン)副首相は最近、「輸出が回復すれば、今後、年3%台後半の成長も可能だ」と主張したが、この傾向が続くことになれば、持ち直すどころか、かえって輸出低迷が経済の足を引っ張る懸念の方が高い。

輸出低迷の原因は、先週韓国銀行が「53年ぶりの製造業の売上減少」の発表と共にまとめた診断と変わらない。ウォン高やグローバル的景気不況が主な原因となっている。今年1月から8月までの世界交易量は12.0%減少し、米国や中国、日本など主要各国は軒並み、輸出減少で頭を悩ませているが、それでも韓国ほどその影響は大きくない。韓国は電子や自動車、化学など、輸出主力品目がこの10年間変わっておらず、これらの商品を後を次ぐ次世代輸出品目は、まだ目についていない。輸出市場の拡大に向けた韓国企業各社の挑戦精神や覇気も、かつてほどではない。

企業の意気込みや製造業の競争力回復が急務なのは言うまでもないが、政府や外交の役割も無視できない。特に、韓国の輸出に大きな負担となっているウォン高は、ずさんな韓国経済外交の責任も少なくない。米国は露骨に円安や人民元安政策で輸出促進を力を入れている日本と中国の「為替操作」を事実上黙認しながら、韓国の外貨市場介入の動きには、警戒を遅らせていない。韓日関係冷え込みの責任を、韓国側だけに転嫁することはできないが、にもかかわらず、日本との関係が悪化したことを受け、10月の対日輸出は25.6%も激減した。

中国向け輸出に役立つはずの韓中自由貿易協定(FTA)は、6月1日の正式署名ご、5か月が過ぎている。それなのに、最大野党新政治民主連合は、「中国との成功的FTAのためには、これまで発効されたFTAの評価についても検討が必要だ」と明らかにし、韓米FTAなどの再評価まで試みる姿勢だ。中国の李克強首相が昨日、鄭義和(チョン・イファ)国会議長に会って、「韓中FTAが公式発効されれば、両国国民に大きな利益をもたらすだろう」と言い、早急な批准を促す姿を目にしなければならない国民の気持ちは複雑だ。