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[オピニオン]「朴槿恵時代の認識」

Posted November. 02, 2015 07:12,   

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私の書棚の片隅に黄色に変色した若い頃の本がある。人文、社会科学分野の本の中には、約30年前、理念書籍と呼ばれて販売禁止になったものもある。「解放前後史の認識」、「転換時代の論理」などの入門書から現実に対して深く悩ませる本まで。あの頃は社会運動をしていなくても多くの大学生がそのような本を読んで討論した。

◆李泳禧(リ・ヨンヒ)が書いた「転換時代の論理」は1974年6月に第1版が出た。「解放前後史の認識」は1979年10月、「1950年代の認識」は1981年3月に初版が出た。朴正熙(パク・チョンヒ)、全斗煥(チョン・ドゥファン)政府時代、このような本が若者の注目を集めたのは、国定教科書では接することができない現代史や現実問題を新しい視点で扱ったからだ。学校で教え、メディアが報道する内容だったなら、そんな本に財布の底をはたくことはなかっただろう。学校前の喫茶店のコーヒーが200ウォンだった頃、「解放前後史の認識」は4000ウォンだった。

◆「転換時代の論理」の裏表紙には、「ここに私たちは混濁した政治の気流を告発する良識と知性の勇気を見る」という当時盧在鳳(ノ・ジェボン)ソウル大学文理学部教授の評が載せられた。盧泰愚(ノ・テウ)政府で首相を務めた人が学者の時に左傾書籍を称えたのか。「解放前後史の認識」の筆陣のキム・ハクチュン、「1950年代の認識」の筆陣であるハン・スンジュ、キム・デファンのような学者も、理念的に偏っていたなら政府高官に就くことはできなかっただろう。これらの本が皆真実だけ含んでいたわけでも、卓越して優れているというわけでもないが、政府の統制が特別な本にした。それを読んだからとすべてが意識化されたわけでもない。

◆朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の歴史教科書左偏向問題の指摘には多くの部分共感するが、国定教科書の処方はうなずけない。画一的史観で学べば、結局は別の側面で歴史を見る視点の補正や新しい「開眼」を模索することになる。維新教育を受けたが、進歩志向の本を読んで混沌を感じた世代的経験がそうだ。朴大統領が個人的所信で国定化を強行するこの時代に対しても、後日多様な評価が出ることが自然なことではないだろうか。

韓起興(ハン・ギフン)論説委員 eligius@donga.com



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