
「巨額の金を持っていない時は、その金をどう使うべきかを知っています。しかし、億万長者になれば、その金は自分のものではありません。その金は(私への)人々の信頼であり、(世界に向け負わなければならない)私の責任です」。
中国最大手電子商取引企業アリババの馬雲(51)会長(写真)は9日、ニューヨーク・マンハッタンのウォルドルフ・アストリアホテルで行われたニューヨーク経済クラブ招待の昼食講演会でこのように語った。馬会長は普段から、「100万ドル(約11億2000万ウォン)程度持っていれば運が良くて幸せな人であり、その金が1000万ドル(約112億ウォン)に達すれば、多くの責任や負担が伴う」という持論を展開してきた。氏は同日も、「1988年に大学卒業後、小さな地方大学で英語教師として働きながら、月に12ドル(約1万3440ウォン)を稼いでいた時が、私には最高の時代だった」と語り、一座から爆笑が起こった。その金は好きなように使うことができたからだという説明だ。昨年末、ブルームバーグが発表した億万長者番付によると、馬会長の財産は297億ドル(約33兆2640億ウォン)で、中国ではトップ、世界では18位だった。氏が、「再び事業できるチャンスが与えらえるなら、企業公開(IPO)をせず、ただ(静かに)個人事業をやりたい」と語った場面もあった。世界から注目を集めた上場企業として、社会的責任を強く感じていることを繰り返し強調したのだ。
アリババの米市場開拓のため、米主要都市を訪問した馬会長は同日、「イーベイやアマゾンなど、米国の大規模な電子商取引企業に尊敬を表したい。アリババは彼らと競争するのではなく、別の道を目指していきたい」と語った。すなわち、「アリババは、米中小企業各社が中国に進出して、製品を販売できるように支援する役割を果たすことになるだろう」と述べ、「すでに、アリババショッピングモールでは米国産チェリーを販売している」と説明した。氏はまた、「現在、中国中間層の規模は、全米人口(約3億人余り)並みだが、今後10年内に5億人を超えるだろう」と見込んだ。
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