Go to contents

[社説]朴大統領、検察に「チョン・ユンフェ文書」捜査に方向性を示すのか

[社説]朴大統領、検察に「チョン・ユンフェ文書」捜査に方向性を示すのか

Posted December. 02, 2014 08:09,   

朴槿恵(パク・クンへ)大統領は昨日、首席秘書官会議で「チョン・ユンフェの国政介入疑惑」と題した大統領府の文書流出事件について、「文書を外部に持ち出すのは決してあってはならない国の綱紀を乱す行為だ」と述べた。朴大統領は、「少し確認するだけで事実かどうか分かりそうなものを、関係者らに確認すらせず、秘密ラインだの、隠れた黒幕があるかのように報じながら、でっち上げていくことが問題だ」とし、「先進国を目前にしている大韓民国で、このような根拠のないことで、国を揺るがすことなどなくなるべきだ」という言葉も口にした。朴大統領が、今回の事件の本質を、「文書流出」や「根拠のない報道」と見ていることをはっきり示したのだ。

朴大統領は検察に向けて、「内容の真偽を含め、全ての事案についてひとかけらの疑惑もないよう、徹底的に捜査し、明白にその実体の真実を究明することを望む」と要求した。しかし、大統領が先に結論を下したも同然であり、検察がその「ガイドライン」から脱することができるかどうか疑問だ。朴大統領が今回の事件の裏事情について徹底的に確認した結果、チョン氏の国政介入疑惑が全くなかったことが明らかになければ、国のためにも幸いなことだ。根拠のないデマを広めて、国政混乱をあおり、政治的利益を得ようとする勢力があるなら、洗い出さなければならない。

しかし、捜査とは生きて動く生物だ。捜査を進めれば、告訴人が予期できなかった何かが現れるか分からない。大統領がすでに結論を下したのに、検事が別の捜査結果を出すことができるのか、気になる。また、一所懸命に捜査した末、大統領と同様の結果を出した時、果たして国民から信じてもらえるかどうかも分からない。1999年の高級衣類ロビー事件も、金大中(キム・デジュン)大統領は「魔女狩りだ」と決め付けたが、国会聴聞会や特別検事による調査まで行われる羽目になった。検察捜査が権力によって予定されていた結論に達したと、国民が疑えば、結局再び国政調査だの、特別検事だのという重複調査を繰り返す可能性が高い。

さらに、文書を巡る議論について、怒気を帯びたような大統領の声を聞かされる国民の気持ちは、穏やかなものではないだろう。朴大統領は、国民の目線に合わせなかった相次ぐ人事失敗やコミュニケーションの失敗が、秘密ラインの黒幕による専横説や権力内部の暗闘説などが拡大させたことに気付くべきだ。かつて、秘書室長の役割を果たしてきたチョン・ユンフェ氏や「黒幕3人組み」と表現される重要秘書官らだけでなく、弟の朴志晩(バク・ジマン)氏までが、権力暗闘説の1人の重要人物として登場している現状の中、朴大統領は国民に謝意の気持ちを持って、責任感を感じるべきだ。それは、透明かつ公正な人事慣行の確立から始めなければならない。側近や親族らの緩んだ綱紀が、「チョン・ユンフェ文書」の下地になったといえるだろう。大統領の過酷なほどの徹底的な周辺管理こそ、秘密ラインの黒幕が国政を弄んだことへの国民の懸念を払拭させる根本的な処方だと思う。