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泰安沖で朝鮮時代の沈没船発見、100点あまりの白磁発掘

泰安沖で朝鮮時代の沈没船発見、100点あまりの白磁発掘

Posted November. 06, 2014 03:02,   

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5日午前11時45分頃、忠清南道泰安郡(チュンチョンナムド・テアングン)の馬島(マド)沖の水深11メートルの海底。

290トン級の水中文化財発掘船「ヌリアン号」から海に潜った潜水士2人がライトの灯りを頼りに、前へ進んでいた。

「どの辺ですか」(コントロール室)

「船体に近づいています。船首の部分です。視界が不透明です。20センチ先しか見えません」(潜水士)

しばらくして、潜水士の頭部に装着したカメラから伝送されてきた映像の中に、干潟に埋もれた木船の一部が姿を現せた。保存状態が良好で、木船の木の木目が鮮明だった。

潜水士らは、荒い息を吐きながら船体から10メートル離れたイカリのアームを引き上げるために移動した。潮の流れが速く、干潟の泥が巻き上がり、先が見難い状況だったが、潜ってから40分で潜水士がイカリのアームを水面に送り出した。イカリのアームの長さは2.1メートルで、元々は4〜5メートルはあったものと推定される。国立海洋文化財研究所・現場チーム長のホン・グァンヒ氏は、「イカリのアームは石を縛り付けるためのものだが、木で作られたアームは珍しい」と話した。

文化財庁の国立海洋文化財研究所は5日、馬島海域で朝鮮時代のものと推定される船(仮称「馬島4号船」)を発見したと発表した。同研究所は、「船体の内部から朝鮮時代初期に作られた粉青沙器の碗2点が出てきたことから、朝鮮時代に製作された船の可能性が高い」との見解を示した。

これまで、海洋で発掘された古船舶12隻のうち、統一新羅時代の船舶であるヨンフン島船を除いては、すべて高麗(コリョ)時代の船だったが、朝鮮時代の船が発見されたのは初めてだ。現在確認された馬島4号船の規模は全長11.5メートル、幅6メートル。右舷側に傾いていて、船体の一部だけが干潟の上に出ていた。鉄のクギではなく、木のクギを使っていることや、船体の形などから典型的な韓国伝統の船の姿をしている。

船首の上部から18世紀後半に製作された朝鮮時代の白磁も111点が発見された。主に日常生活容器の鉢、皿、杯、燭台などが10点あまりずつ重ねられた状態で見つかった。このうち白磁の燭台は、一部の家門で伝えられているだけで、発掘されたのは初めてで、希少価値の高い遺物と評価される。

ホン氏は、「船の中で朝鮮初期の粉青沙器が見つかったことから、18世紀の白磁の束が馬島4号船に一緒に積まれていたものかは確かでない」とし、「だが、これらの白磁が緩衝材である藁とともに発掘されたことから、貨物として運ばれる途中に沈んだことは間違いない」と話した。

ナ・ソンファ文化財庁長は、「これまで朝鮮白磁は様々な地域に窯が散在していて、窯の周辺地域だけに供給されていたというのが学界の定説だったが、今回の発掘で、遠距離流通が初めて確認された」と述べた。

泰安海域は、「驚いた潮の巻き上がるのが千万の形をして、その珍妙さは言葉では言い表せない」という古い記録があるほど、多くの船が沈没する場所だ。2007年以降も、ここだけで泰安船、馬島1〜3号船の4隻の高麗時代の船舶と2800点あまりの遺物が発掘された。