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大統領府をめぐる噂、その誤解と真実

Posted March. 21, 2014 03:27,   

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「秘書は口がない」

「金淇春(キム・ギチュン)秘書室長を含め、歴代の大統領秘書室長の口癖だ。それでも権力の中心である大統領府は大統領を直接補佐する所なので、常に世間の注目を受ける。朴槿恵(パク・クンヘ)大統領府も発足1年が過ぎ、様々な噂に包まれている。

朴大統領の官邸には2匹の珍島(チンド)犬がいる。大統領府の周辺では、この珍島犬が吠えずに尻尾をふる人は「実力者」という話もある。それだけ官邸をよく行き来しているということだ。金室長や金章洙(キム・ジャンス)国家安保室長、李貞鉉(イ・ジョンヒョン)広報首席秘書官などがこの基準で実力者に浮上した。

しかし、実のところ珍島犬は見知らぬ人が来てもあまり吠えないという。特に、雄のヒマンは雌のセロムが吠えると、後について数回吠える程度だという。見知らぬ人が来た時よりも、コンディションが良い時によく吠えるという。いかなる室長、首席秘書官であっても、執務室でなく官邸で大統領に会うことはほとんどない。

大半の大統領府首席秘書官は、大統領と顔を合わせる機会すらないという噂もある。家臣グループが彼らの接触を阻止するからだという。

ある参謀は、「李貞鉉首席秘書官が大統領とよく会っていそうだが、そうでもない。経済革新3ヵ年計画の時は趙源東(チョ・ウォンドン)経済首席秘書官、海外歴訪の時は朱鉄基(チュ・チョルキ)外交安保首席秘書官とほぼ毎日会い、政策発表の前には該当の首席秘書官と会って相談するため、政務パートよりも政策パートの首席秘書官が大統領とよく顔を合わせる」と話した。だからと言って、李首席秘書官が実力者でないというわけではない。李首席秘書官の携帯電話に保存された大統領専用ベルはいつも鳴っている。

首席秘書官が大統領の前で話もできず、指示だけ受けているという噂もある。大統領と関係の薄い官僚出身が首席秘書官が多いため、発足初期にはそのような雰囲気もあったという。

ある参謀は「首席秘書官会議の雰囲気から変わった」と話す。初期の頃は各首席秘書官が報告し、大統領がコメントする形式で進められたが、今は首席秘書官の間で討論も起こるという。午前11時30分には終わっていた会議も、しばしば12時を超える。大統領が「もう食事の時間ですが…」と言いながらも会議を終わらせず、討論を楽しんでいるという。

首席秘書官たちも、大統領の国政哲学と「シンクロ率」を高めている。ユ・ミンボン国政企画首席秘書官は、新しいことをするよりも最後までやり遂げることを重視する。牟迵敏(モ・チョルミン)教育文化首席秘書官は、毎週、教育・文化の現場に出向き、懸案に取り組む。

今年初めに関心を集めた金秘書室長の辞任説など、大統領府をめぐる噂は今後も絶えないだろう。当事者は悔しいかもしれないが、噂もまた民心だ。東亜(トンア)日報の専門家調査で、大統領府の室長と首席秘書官の不十分な点として「直言する勇気」が挙げられたことも、肝に銘じるべきだ。