昨年11月中旬、ロシア・コロムナで行われた国際氷上競技連盟(ISU)のショートトラック・ワールドカップ第4次大会。韓国男子代表チームの主役ともいえるノ・ジンギュ(22、韓国体育大学、写真)の左の肩は、目で見ただけでもひどく膨れ上がっていた。病院での検診の結果、陽性腫瘍の判定を受けた。ノ・ジンギュは、苦痛を我慢しながら、競技に出た。オリンピック個人戦出場の資格もなかったが、韓国選手団のオリンピック出場権の獲得のため、1000メートルと1500メートルに自ら買ってでて出場した。リレーの時は、左の肩の痛みが激しく、右手だけでほかの選手の背中を押した。
今月中旬は、スケートの訓練途中、滑って、左の肘が折れる大怪我をし、オリンピック出場名簿から外された。痛み止めを飲みながら、チームに貢献してきた彼のオリンピック出場の夢が、粉々になった。
そんな彼に、青天の霹靂のような出来事が起きた。ひざや肩を治療する過程で、当初、陽性だと思っていた腫瘍が、悪性と判明したのだ。彼は22日、ソウル蘆原区(ノウォング)の原子力病院で、左の肩の肩甲骨を全て摘出する大手術を受けた。手術を執刀したチョン・デグン博士は、「左側の肩甲骨の下の腫瘍組織を検査したところ、骨肉種という結果が出た。骨肉種とは、一種の骨のがんだ。完治率は60%ほどだ。6〜8ヵ月間、抗がん治療を受けなければならない。選手生活を続けるかどうかは、その後わかるだろう」と話した。
そんな状況のなかでも、ノ・ジンギュは代表チームを応援した。彼は、「わが選手らは、ワールドカップ大会後、多く訓練を重ねており、体調はよいほうだ。個人戦もそうだが、リレーだけは、絶対金メダルを獲得してほしい」と話した。