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北朝鮮に送還された国軍捕虜、服役中に栄養失調で健康悪化

北朝鮮に送還された国軍捕虜、服役中に栄養失調で健康悪化

Posted October. 17, 2013 03:58,   

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3年前に脱北を図ったが、北朝鮮に送還された80代の国軍捕虜が、懲役5年の刑を言い渡され、北朝鮮の教化所で収監生活を送っていることが分かった。生存は確認されたものの、深刻な栄養失調で健康状態が悪化しているという。

16日、北朝鮮事情に詳しい消息筋によると、2010年、脱北途中、中国で拘留され、北朝鮮に送還された国軍捕虜チョン氏(85)が現在、咸鏡北道(ハムギョンプクト)の全巨里(チョンゴリ)教化所に収監されている。チョン氏は脱北を図った理由で5年の刑が宣告され、3年間服役している。このような事実は、服役していた知人が最近、刑期を終えて教化所を出所し、韓国にいる消息筋に救助を要請したことで確認された。

チョン氏は、韓国戦争当時、韓国軍第5軍団第3師団に所属して参戦し、1952年に人民軍の捕虜になった。阿吾地(アオジ)炭鉱で労役を課されたチョン氏は、2009年8月、家族と共に脱北を図り、中国で公安に逮捕された。中国当局は、チョン氏と家族を6ヵ月間拘留し、北朝鮮に送還した。当時、国軍捕虜を支援していた国内の民間団体だけでなく国会からも外交部と統一部の安易な対応を非難する声が高まった。

チョン氏の脱北を助けたある消息筋は、「チョン氏は2010年に中国にいた時もすでにやせていて、顔の半分がマヒし、状態が良くなかった。教化所で健康は悪化したことだろう。このまま死なせないよう助けなければならない」と心配した。2015年まで服役しなければならないが、現在の健康状態では持ちこたえることが難しい。全巨里教化所は、「第2の耀徳(ヨドク)収容所」と呼ばれるほど、収監者に対する苛酷な待遇で悪名高い所だ。

しかし、北朝鮮が国軍捕虜の存在を否定しているうえ、最近南北関係が冷え込み、離散家族の再会も実現できない状況では、政府が対応するのは容易ではない。これに対して、国軍捕虜送還委員会を運営する「忘れな草」の朴宣映(パク・ソンヨン)理事長は、「政府が検討すると言った『フライカウフ(freikauf・自由を買うという意味)』方式を適用してでも、チョン氏を早く国内に連れてこなければならない」と主張した。フライカウフは、西ドイツが東ドイツに収監された政治犯を経済的代価を支給して自国に送還する方式だ。柳吉在(リュ・ギルチェ)統一部長官は15日、統一部の国政監査で、「離散家族や国軍捕虜、拉致被害者を連れてくるために、フライカウフなど様々な方法を検討する」と明らかにした。