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鄭鳳柱氏が農村に移住した理由

Posted June. 22, 2013 06:38,   

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ポットキャスト「ナコムス」のMCだった元民主党議員の鄭鳳柱(チョン・ボンジュ)氏が、今年3月、慶尚北道奉化(キョンサンブクト・ポンファ)に移住した。鄭氏は、2007年の大統領選でBBK疑惑関連の虚偽の事実を流布した罪で1年間服役し、昨年12月に満期出所した。

被選挙権を喪失し、赦免復権がなければ今後10年間、選出職への立候補が禁じられる。鄭氏は最近、ネットメディアとのインタビューで、奉化に農村に移住した理由について詳しく説明している。要するに、「進歩も食べる問題を解決できることを見せ付けなければならない」ということだ。だからと言って、鄭氏が専業農夫になろうとしているわけではない。

筆者が注目したのは、彼の練っている構想の内容である。今月末に「ボンボン」という名の協同組合の設立を控えている中で、「20万のミグォンス(「鄭氏と未来権力たち」の略語)の会員もいるし、都市部のネットワークも強い。これを活かして、良質の農産物の直接取引を通じて、、都市部と農村が共存するモデルを作りたい」と話した。

ここまでなら良い。気になるのは、その次の発言だ。「協同組合の組合員が1万、10万、100万になったとして、これだけ強力な組織はないだろう。民主党も協同組合に注目するべきだ。基本的に、保守派の方たちは協同よりは競争を重視するため、協同組合には馴染み難いはずだ」。

先月の「盧武鉉元大統領死去4周忌追悼文化祭」では、もっと露骨な発言をしている。「市民を横糸と縦糸で織り成す協同組合こそ、まさしく盧元大統領が構想した覚めた市民組織のパワーなのだが、閣下(李明博前大統領)は、何も知らずに、昨年12月、(協同組合基本法を)成立させた。奉化に協同組合を作った。背後で操縦しているのは朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長だ。先日、食事を一緒にしたそき、協同組合をやってみろと言ってくれた。すでに、全部話はついている」。

朴市長は、今年2月に「今後10年かけて、協同組合数を8000個まで拡大する」と言い、様々な支援策を盛り込んだソウル市協同組合活性化基本計画を発表した。一部では、来年の地方選挙を睨んだ布石ではないかと疑問を投げかけた。すると、朴市長は一昨日、「協同組合の仕組みが分かっていないから、そういう話になる」として反発した。協同組合は、誰かが(5人以上)必要に応じて、自発的に作るものだ。いくらソウル市長でも、自分勝手に作れるものではない。なのに、8000個という数字を打ち出しているのだから、市長自ら協同組合の設立を主導する考えを示したものと取られても仕方ない。

明白な政治的目的を持って、しかも朴市長の「背後操縦」と密約で協同組合を作ると言っている鄭氏と、「違う」と言う市長の発言のどちらが本当なのかは、今のところは知る由がない。しかし、少なくとも、鄭氏が協同組合を作る理由と、それをどう使おうとしているのかは明らかになった。

早くも協同組合を選挙と結びつけるのは杞憂かもしれない。協同組合基本法(9条)は、協同組合の公職選挙への関与を禁止している。国会議員と地方議会議員に対しては、協同組合の役員就任を禁じる方向での法改正も立法予告されている。だが、選挙法がなかったから違法な選挙運動が行われているのではない。ましてや、協同組合基本法(10法)は、国と公共団体が協同組合事業に積極的に協調し、必要な資金を支援できるようにしている。刃物を医師が持つのか、泥棒が持つのかが分からないから不安なのだ。

協同組合は、社会経済的な弱者たちが連帯を通じて、自助、自立できるよう手助けする小さな生活共同体である。鄭氏の言葉通り、保守右派よりは進歩左派との方が相性が合う。しかし、ソーシャルメディアで見るように、進歩左派が協同組合で思惑通りの政治的な効果を得る場合、保守右派とて手を拱いてはいないだろう。そうなると、小さな生活共同体も、大きな社会共同体も泥を浴びる結果になるだろう。

5月末現在、すでに1210の各種協同組合が生まれている。協同組合が、社会に本当に必要で、重要だと考えるのなら、卑しい企みは撤回するべきだ。政治は、政治の領域でやるだけでも溢れかえっている。それでいても、拍手さえもらえない政治ではないか。