「政府は、ここまで国民の財産が壊れるのを放置しても良いのですか。北に対しては、最初から期待もなかったけど、『格』のことは後で話して、今すぐ会談に応じるべきです」(チョン・ギソプ開城工業団地企業協会副会長)
南北当局会談が流れ、通行再開への希望が崩れた開城(ケソン)工業団地に進出した韓国企業各社が、南北の両政府に対して、抑えていた恨めしい気持ちを吐き出した。
チョン副会長は、開城工業団地の操業中断が長引くと、先週、海外の生産工場を探してベトナム、カンボジア、ミヤンマなどを回っていたが、南北当局会談を見届けようと11日午後に帰国した。が、会談開催が流れたというニュースに挫折した。チョン氏は、「海外の工場を買収しても、生産が始まるまでは1、2ヵ月、建てようとすると1年以上かかる」と、苦しい現状を訴えた。
開城工業団地で機械部品を生産していたA社の代表は、「開城工業団地進出企業は今すぐにも枯死に追い込まれているのに、『格』を問題視する北朝鮮も、『金良建(キム・ヤンゴン)統一戦線部長を出すべきだ』と固執するわが政府も、理解できない」と声を荒げた。
開城工業団地正常化要求非常対策委員会のキム・ハックォン共同委員長は、「労働者たちは一方的に撤収させて通行制限をする国はない。結局は北朝鮮が悪い」と指摘した。
開城工業団地進出企業が一番心配しているのは設備だ。ムン・チャンソプ非常対策委員会共同委員長は、「今月に重設備点検チームが入れないと、機械の70〜80%が壊れ、復旧に6ヵ月から1年はかかるだろう」と話した。このため、進出企業各社は、南北当局会談とは切り離して開城工業団地問題を別途扱って欲しいと要求している。
団地閉鎖状態が長期化すると、韓国輸出銀行に南北経済協力保険金を申請する企業も増えている。11日までに同保険に加入した141企業のうち、保険金の支払いを申請したのは3社だけだったが、会談開催が流れると、12日には9社が新たに申請した。経済協力保険は、企業が投資した資産に対して、最大で70億ウォンまで補償を行う。
保険金の受領は、事実上団地からの撤退を意味する。保険金を受け取り次第、企業は自動的に資産を放棄しなければならない。開城工業団地に再び進出しようとすれば、受け取った保険金を返却しなければならない。






