Go to contents

[オピニオン]いわゆる「核心関係者」という情報源

[オピニオン]いわゆる「核心関係者」という情報源

Posted April. 05, 2013 03:17,   

盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は、訪米中だった2003年5月13日の午前1時ころ(現地時刻12日午後0時)、ニューヨークから大統領府に直接電話をかけた。盧大統領は大統領府の電話交換手に「大統領だが、秘書室の当直者に代わってくれ」と言った。大統領府で当直勤務をしていた職員2人のうち、一人は睡眠を取っていて、もう一人はトイレに行っていたため、大統領の電話に出れなかった。電話は、回って回って警護状況室の当直室に回されて、ようやくつながった。盧大統領は「大統領だけど、貨物連帯のストライキの状況はチェックしているのか」と聞いたが、警護室の当直者は「私どもはストライキの状況は把握していません」と答えた。盧大統領は「あ、そうですか」と言って電話を切った後、随行員らに「秘書室でストの状況をチェックしていないのか」と不機嫌そうに不満を語った。

◆このことは、盧大統領が帰国するまでも外部に知られなかった。大統領府の綱紀が乱れているという批判を恐れて内緒にしていたのだ。最初の報道は、6日が過ぎた5月19日付の東亜(トンア)日報からだった。記事は「大統領府によると…」で始まる。大統領は大騒ぎになった。当時、李鎬迵(イ・ホチョル)民情秘書官は、記者に「民情首席室の秘密報告書が新聞にそのまま掲載された。誰が漏らしたのか教えて欲しい」と言った。

◆記者は、この情報源を10年が過ぎた今まで、誰にも漏らしたことがない。もし、記事を「大統領府の誰々によると」と書いていたらどうなっただろうか。重い懲戒処分を受けただろう。報道の後、大統領府は当直者2人を懲戒処分にしたが、省庁から派遣された公務員は、大統領府から追い出した。2つあった当直室のベッドを1つに減らし、一人は横になれないようにした。

◆大統領府の尹昶重(ユン・チャンジュン)、金杏(キム・ヘン)両報道官が大統領関係記事を書く際、「核心関係者」や「高官」といった表現は使わないで、(情報提供者の)実名を書くよう記者団に要求した。報道官のブリーフィングだけを記事にしろという考え方だ。そのような要求など決して受け入れられるものでないことは、記者出身の尹報道官も良く知っているはずだ。間違った報道には反論や訂正報道を要求し、悪意的な誤報に対しては訴訟で対応すれば良いことだ。大統領府におしゃべりが多いほど大統領府としては面倒だろうけど、国民は幸せになる。

チェ・ヨンヘ論説委員 yhchoi65@donga.com