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[オピニオン]税金を受け取り、授業料も引き上げる幼稚園

[オピニオン]税金を受け取り、授業料も引き上げる幼稚園

Posted March. 12, 2013 07:41,   

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KBS4部作ドラマ「彼女らの完璧な一日」が10日で終了した。このドラマは日曜日深夜の時間帯に放送されたにも関わらず、10%近い高い視聴率(首都圏基準)を記録した。江南(カンナム)の上位1%のための超豪華幼稚園のクリスマス発表会の日を背景に、歪んだ教育熱が、子供や自分自身、周辺関係をどのように壊すかを、説得力を持って描いた。働くママから専業主婦に変身した後、いやがらせを受けるスア、高級クラブでの前歴を隠すため、娘に過度に執着するヘジュ、私教育費に当てるため、塾のブローカーとして働く教授の妻のキョンファ、裕福に暮らしているかのように見えるが、夫婦の不仲や歪んだ愛で子供を苦しませているミボクなど、ドラマの主人公らは自分の傷跡や欲望を子供に照らし出す共通点を持っている。

◆ドラマの中の「ハナ幼稚園」に初めて訪れたスアは、支払い金を見て、開いた口がふさがらなかった。授業料に数学、英語など、さまざまな名目が加えられた支払い金は、月200万ウォンだった。スアは、幼稚園への入園自体が「宝くじに当たる」ようなことであり、誰もが入ることなどできないという誘いに落ちて、登録してしまう。それでも足りず、ママたちは、頻繁に先生にブランドバッグや靴をプレゼントし、発表会の用品を協賛する。しかし、ハナ幼稚園は、仮想の幼稚園ではない。幼稚園公示サイト「幼稚園アリミ」によると、ソウル江南(カンナム)、瑞草(ソチョ)、松波(ソンパ)など、一部地域の私立幼稚園の教育費は、年間1000万ウォンを超えている。幼稚園費が、大学授業料に匹敵するほどだ。

◆今年2月、全国私立幼稚園の平均授業料は、年間581万3201ウォン(5歳基準)で、昨年9月の公示時より約6.9%値上がりした。昨年の消費者物価の上昇率2.2%に比べれば、過度に値上がりしている。ヌリ過程の導入を受け、政府が保護者に支援する幼児学費(昨年は月20万ウォン、今年は月22万ウォン)とは別途に、私立幼稚園は、1クラス当たり月25万ウォンの運営費や教師1人当たり月40万ウォンの待遇改善費の支援を受けている。税金から学費や運営費が支援されるだけに、教育費の負担は減らされるべきだが、実際はそうではない。各私立幼稚園が、英才教育や英語、数学など、さまざまな名目で、更に授業料を受け取っているからだ。

◆見かねた政府がメスを入れた。教育科学技術部は、幼児教育法を改正し、幼稚園費の引き上げ率上限制を実施できる法的根拠をまとめることにした。ソウル市教育庁は、授業料引き上げ率の高い私立幼稚園を対象に、授業料の変動状況や幼稚園運営委員会構成などに関して監査を行い、問題点が見つかれば、運営費支援を打ち切る予定だ。突き詰めてみれば、江南を中心に授業料が値上がりするのは、保護者が一般幼稚園とは差別化した教育を希望する理由もある。ドラマの中の母親のような保護者らが存在する限り、幼稚園の授業料の便宜的引き上げは消えないだろう。

鄭星姬 (チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com