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月収100万ウォンの銭湯も複式簿記つける?

月収100万ウォンの銭湯も複式簿記つける?

Posted January. 15, 2013 03:17,   

ソウル冠岳区奉天洞(クァンアクグ・ボンチョンドン)のW銭湯は、裏通りをさんざん迷った末にようやく見つけることができた。ここの店主のイ某さん(51)は11日、建物の2階の廊下の隅を改造して作った簡易事務室で記者を迎えた。3.3平方メートルもないように見えた。

しばらくして客が入ってきた。殆どはスリッパ姿の自営業者か、化粧っ気のない顔にシャンプーとタオルを入れた籠を持った主婦たち。イさんは客が入ってくる度に、古いノートに「正」字を書いた。アルバイトが使えないため、山ほど積まれている橙色のタオルを時間ができる度に畳んだ。入場料5000ウォン、使い捨てシャンプーを300ウォンで売る462平方メートル規模の典型的な町の銭湯だ。

15年間銭湯を経営してきたイさんには約2年前から悩みができた。水道料、電気量が引き上げられ、入場料を引き上げたら、年間売り上げが7500万ウォンを越えたことまでは良かったが、そのおかげで複式簿記義務対象者になったのだ。金銭出納帳、仕入元帳、掛売元帳、資産・負債元帳、販売・一般管理元帳、総勘定元帳…。いよいよお手上げで税務士を訪れるしかなかった。

「午前3時から午後7時まで独りで働いて1ヵ月に稼ぐお金が100万ウォンです。ところが、毎月税務士に7万ウォン、1年に80万ウォンを払います。我々のような零細業者は脱税する方法も知らないのに…」と、イさんは吐露した。

このような事情から、一部の店は複式簿記を諦め、罰金的性格の強い加算税(算出税額の20%)を納めている。ソウル衿川区禿山洞(クムチョング・ドクサンドン)で銭湯を運営して13年になるユン某さん(57)は、「税務士に複式簿記を依頼する費用が10万ウォンを超えるため、かえって加算税を納めた方が安い」と話した。



yhkang@donga.com