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「親権」を盾にわが子に暴力、急がれる親の処罰強化と教育

「親権」を盾にわが子に暴力、急がれる親の処罰強化と教育

Posted November. 20, 2012 08:51,   

地方の児童保護専門機関では、父親からの暴力に苦しんできた子どもたちが暮らしている。ここのカウンセラーたちは毎日、暴力父との戦いに追われている。ここで、「親子は天倫」という言葉は、白々しいうそのように見える。組織暴力団メンバーのA氏(34)は酒を飲むたびに施設に乗り込んできては、小学校4年の息子(10)と1年生の娘(7)を渡すよう、大声を上げて恫喝してくる。結婚当初、妻との喧嘩が絶えなかったA氏は、腹が立つと物を壊したり、子供たちに暴力を振るうことでストレスを発散した。妻が家出するとA氏は、「母親似のお前らを殺してやる」と脅した。

もう一人の暴力父は毎日、施設に電話をかけてきては子供を渡せと大声を上げる。アルコール依存症(中毒)という暴力父は、酒ビンを片手に現れ脅迫したりする。さらに、「この施設がうちの子を連れ去った」と、警察に通報する居丈高な暴力父もいる。彼らは、「私も小さい時、父親に殴られていたが、無事に成人した」、「私のやり方で自分の子を育てるのに、なぜ口出しするのか」と、「親権」を主張している。このような父親らに親権や天倫を認めるのは、果たして妥当なことなのだろうか。

●暴力的父親との思い切った断絶

「暴力の連鎖」を断ち切るためには、加害者の父親と被害者の子供とを切り離しておくべきだというのが、専門家の一様な見解だ。しかし、親の権利である「親権」を尊重する社会の通念上、容易なことではない。

中央児童保護機関のキム・ギョンヒ・チーム長は、「暴力的家庭を訪ねれば、凶器を手にした父親が、『自分の子は自分でしつけるから出て行け』と怒鳴ったりする」とし、「危機的状況では、積極的に子供を施設に移し、保護する対策が必要だ」と指摘した。現在の関連法規では、両親による子育てが難しかったり、子供に傷害を加えた場合は、警察や保護施設のカウンセラーの判断に基づいて、一時保護命令を出すことができると定められている。しかし、上記の事例のように、親権を主張する暴力父も少なくないため、この規定は実際の現場ではきちんと効果を出せずにいる。

暴力父が、児童保護機関に入所した子供を再び連れ戻そうとするときも、問題はある。親と子供、そして施設の専門家の同意が必要だ。施設のほうで同意しなければ、暴力父は、子供を執拗に説得する。幼い子ほど、暴力父から背を向けることができず、家に行かせてほしいと、先に要求してくる傾向を見せているのが問題だ。ある施設の関係者は、「暴力被害児童が施設ではなく、親の愛に包まれた自分の家庭で育つのが、傷を癒すのに最も理想的だ」としながらも、「一旦連れ戻せば、大半の暴力父は、反省どころか子供が自分を裏切って逃げたと報復の暴力を振るい、子供の傷口はより大きくなる」と主張した。

●暴力父には処罰と教育を

専門家らは、暴力父からの暴力の連鎖を食い止めるため、暴力父への処罰や教育強化、被害児童への支援、隣人の通報による事前予防の3つの対策を取り上げている。19日、児童虐待予防の日を迎え、保健福祉部やグッドネイバーズ、中央児童保護専門機関なども、暴力的父親からの児童保護を訴える一方、暴力だけでなく、ネグレクトや情緒的虐待など、児童虐待の防止に向けたイベントを開き、その対策について話し合った。同日の参加者らは、政府が9月の通常国会に提出した児童福祉法の改正案や児童虐待犯罪の処罰などに関する特例法の速やかな可決に向けた関心を呼びかけた。法案には、児童虐待の予防に向けた親への教育の義務付けや虐待親への処罰強化、虐待被害児童への支援拡大案などが盛り込まれている。

父親の暴力を予防するための事前通報も強調している。暴力父から被害を受けた子供らは、身体だけでなく、深刻な心理的後遺症を患い、治療が容易でない上、ほかの家族構成員まで治療し、カウンセリングを行うためには、膨大な予算や時間がかかり、事前予防が最も有効だからだ。各民間団体は、身近で児童虐待が起きたり、その疑いのある場合は、知らん振りせず、通報するようキャンペーンを行ってきたが、参加が低かった。さらに、教師や医療関係者など、児童虐待深刻が義務付けられている人の通報率も、外国に比べ著しく低い。

中央児童保護専門機関のチャン・ファジョン官長は、「暴力父が子供に向けて振るう暴力について、周りでは子供へのしつけとして放置せず、国がより積極的に介入し、子供をより安全に保護してこそ、暴力の連鎖を防げる」とし、「従来の家庭内暴力防止法ではなく、児童虐待防止法に、子供への暴力根絶に向けた強力な措置を盛り込むべきだ」と主張した。



tigermask@donga.com