李光範(イ・グァンボム)特別検事は、李明博(イ・ミョンバク)大統領の私邸用地の購入を担当した大統領府警護処が、李大統領の長男、始炯(シヒョン)氏が負担する購入費用の一部を肩代わりし、国家に損害を及ぼしたとして背任容疑を適用した。検察が大統領府の説明をそのまま受け入れ、関係者全員を無嫌疑で処分したのとは対照的だ。特別検事チームは、金仁鍾(キム・インジョン)前大統領府警護室長ら警護処職員3人の背任行為で利益を得た李大統領家族に対しては、背任容疑を適用しなかった。自分ではなく他人のために背任を犯した人は起訴され、利益を得た人は起訴されないということは、法律上の論理を越え、一般人の常識に照らしても公平ではない。
特別検事チームは、始炯氏と金潤玉(キム・ユンオク)大統領夫人の背任容疑に対しては、用地の分配と価格決定に関与しなかったという理由で「嫌疑なし」とした。李大統領に対しては、容疑の有無を判断せず、「公訴権なし」という結論を下した。大統領は憲法上、在任中に内乱または為替の罪を除いては刑事訴追(捜査および起訴)を受けないためこのような処分になったが、任期を終えた後、法廷に証人として出頭し、訴追される可能性もある。
特別検事チームは、実所有者の李大統領夫妻が長男の名義で私邸用地を購入した名義信託ではなく、所有者が始炯氏だが、その購入資金を李大統領夫妻が代わりに出した変則贈与と判断した。途中で契約が取り消しとなった同事件は、その性格上、捜査のかなりの部分を関係者の供述に依存せざるを得なかっただろう。不動産実名制法違反を避けるための大統領府の法的対応が成功したと見ることもできる。特別検事チームは、大統領府警護処の施設管理部長が取引契約書を変造した事実も明らかにした。変則贈与は、全体価額が25億ウォン以上で国税庁が刑事告発できるため、刑事処罰には至らない。
警護処が大統領一家が利益を得るよう土地を契約することを大統領夫妻が知っていたのか、知らなかったのか、今のところ分からないが、この私邸用地購入の手続きはすっきりしない。名義信託であれ、変則贈与であれ、そのような疑惑を受け得ることを普通の人でなく大統領家族がしたということも恥ずべきことだ。
李大統領の私邸疑惑が特別検事までに至ったのには、検察が本来の仕事をしなかったことが大きい。検察は、大統領府職員を背任で処罰すれば、背任の利益が李大統領家族に渡るという納得できない論理を掲げ、関係者全員を不起訴にした。検察が当時、法に則って大統領府職員を起訴したなら、特別検事は必要なかっただろう。大統領府の顔色をうかがって誤った捜査をした検察の深い自省が伴わなければならない。






