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[オピニオン]悪童バロテリ

Posted July. 02, 2012 08:50,   

高3の息子を置いている母親は、この頃「三つの厄災が降りかかっている」とため息を吐いている。ディアブロとロンドン五輪、そしてサッカー欧州選手権2012(ユーロ2012)のため男子生徒たちの修学能力試験(修能=日本のセンター試験に相当)の平均点数が下がることを心配しているのだ。ユーロ2012は、過去のどの大会よりも興味津々だ。欧州経済危機がユーロ2012の興行面の成功にもプラス要因として働いた。先月29日に行われたドイツ対イタリアの準決勝。同日、決勝ゴールを決めたマリオ・バロテリ(22)がシャツを脱いで喜びを爆発させた「ハルク・パフォーマンス」はイエローカードをもらったものの、ユーロ2012を象徴するアイコンになった。彼は同日、アズーリのユニフォームを着て先発出場した選手の中では唯一の黒人だった。

◆彼が2ゴールを爆発させて2−1でイタリアの決勝進出を決まると、イタリア紙のリベロは1面で、ドイツのメルケル首相の顔が描かれたサッカーボールをバロテリが蹴るイラストを掲載した。またイタリア紙のイル・ジョルナーレは、「ユーロを離脱するべきはメルケルあなただ」と感情的な反応を見せた。試合日に、モンティ・イタリア首相は欧州連合(EU)サミットでイタリアの国債金利の上昇を阻止してあげる決定を引き出した。そのため、「イタリアの2人のスーパーマリオがイタリアを救った」という論評も出た。

◆バロテリを持ち上げているマスコミは、前日までも、若い選手をダーツで脅したり、いつも乱暴な暴言を飛ばしているバロテリの悪童ぶりを伝えるのに忙しかった。幼いとき養子に出されたバロテリは、もともとはガーナ移民家庭で生まれた。スポーツの世界にも肌色は問題になった。彼のひねくれた性格の裏には、人種差別に対する怒りが潜んでいる。この1年間、イタリアサッカーのチャンピオンシップで人種問題絡みの事件は59件、科された罰金は40万ユーロ(約5億8000万ウォン)に上る。

◆バロテリの活躍を契機に、イタリア在住の外国人家庭で生まれた子どもに市民権を与える「バロテリ法」が持ち上がっている。バロテリの決定力は、莫大な国家債務に苦しむイタリア国民に良いガス抜きになっているだけでなく、重い課題も残した格好だ。今年5月、ブラジル出身でKリーグ全北に所属するエニンヨの特別帰化が頓挫したことがある。バロテリ法同様、エニンヨの帰化問題も多文化社会としての韓国の包容力を示せる機会だった。

李進寧(イ・ジンニョン)文化部次長 ecolee@donga.com