ロシアのプーチン首相が大統領に当選した翌日の5日夜、モスクワの最高権府であるクレムリン宮の周辺では、親プーチンのデモ隊と反プーチンのデモ隊が「対抗夜間デモ」を行った。反プーチン勢力は、市内の中心にテントを張って「座り込みデモ」を行おうとしたが、警察の鎮圧で失敗に終わった。西欧のメディアは、ロシア版「モスクワ占領デモ」は不発に終わったが、火種はついたと分析した。
5日午後6時30分頃、クレムリン宮から700メートルほど離れているプーシキン広場に「反プーチンのデモ隊」が集結し始めた。胸には「白いリボン」をつけていた。白いリボンは、昨年12月の総選挙で不正疑惑が起こった後に登場した「公正選挙」を求める野党のシンボルだ。集会場に続く道の両側には、装甲車のようなデモ鎮圧車両とトラックが照明の下で待機していたが、デモの参加を妨げることはなかった。
すでに以前から、「選挙翌日の5日に集結」するという内容が広まり、わずか数分で広場は入ることができないほど野党の支持者で埋まった。野党指導者は、群衆の間を縫って演壇に向かった。主催側は参加者を2万人以上と推算した。広場横のプーシキン映画館の建物には、「公正な選挙のために」と書かれたプラカードがかけられた。
集会は午後7時20分に始まった。野党指導者ルイシコフ氏は、「私たちは総選挙と大統領選挙をやり直すことを求める」と訴えた。自由主義を標榜する野党指導者カスパロフ氏は、「プーチンが昨日流したのは涙ではなくボトックスだった」と述べ、ロシアの地図から流れたボトックスを消そう」と呼びかけた。
集会は、民族主義指向の有名ブロガー、アレクセイ・ナヴァルニー氏の演説で絶頂に達した。ナヴァルニー氏は、「私たちも一票がある。私たちが権力だ」と演説すると、群衆も「私たちが権力だ」として呼応した。そして、「私たちは街に出ることを止めないだろう」と誓った。時折、「プーチンのいないロシアのために」というスローガンも出てきた。
午後8時30分頃、集会が終わったというアナウンスが流れた後、広場のあちこちにテントを張り始めた。数千人が「私たちは去らない」と叫んだ。しかしこの時、警察と対テロ部隊「オモン」の要員が集会場に投入された。「左翼戦線」指導者のセルゲイ・ウダルショフ氏とナヴァルニー氏ら指導者約10人が逮捕され、数百人が連行された。一部デモ隊が「暴力をやめろ」と叫んで抵抗したが、大きな衝突はなかった。
一部デモ隊は、プーシキン広場から北につづくトベルスカヤ通りに移動して街頭行進を行い、一部はクレムリン宮の周辺を囲んで、人間の輪を試みたが連行された。野党は10日にも、モスクワ市内の各地で集会を開くことを明らかにした。
これに先立ち、同日午後6時頃、クレムリン宮に隣接するマネシュ広場では、親プーチン系青年組織「ナシュ」が組織したデモが行われた。拡声器から出る「プーチンの勝利を守ろう」というスローガンと大音量の音楽のために、周辺の車の騒音が聞こえないほどだった。主催側が約4万人と推定した親プーチンのデモ隊は8時頃、静かに解散した。
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