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[オピニオン]米国版「トガニ」

Posted February. 10, 2012 05:28,   

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昨年7月、英国が13年ぶりに教師らに、「合理的物理力(reasonable force)」を認めた。体罰とは意味が違う。生徒同士の喧嘩や生徒が教師に暴行を加える時、これを食い止めることができるようになった。英国が1998年に導入した「ノータッチ」政策は、教師と生徒との身体的接触を一切禁じた。教師が生徒にわいせつ行為をしたと訴訟を起こされる余地を無くすための措置だった。教師らは、芸能・体育科目を教えるとき、生徒の体に手をつけ、姿勢を正すことも、生徒を褒めながら肩を軽く叩くことも避けた。

◆米カリフォルニア州・ロサンゼルスの小学校教師2人が、児童らに対し、持続的にわいせつ行為を行った事件が明らかになり、教育当局が、校長や教師、庭師、調理師にいたるまで、教職員150人全員に対し、免職の処分を下した。「学校システム全体が児童らの保護に失敗した」と言う理由からだ。わいせつ行為を行った教師の一人は1994年、一人の女子児童の通報で警察による取調べを受けたが、証拠不十分で釈放された。学校側は4年前に、怪しいと言う通報を受けたが、隠すことに追われ、問題をさらに深刻化させた。それこそ米国版「トガニ」だ。

◆米国は児童対象の性的犯罪に対し、法廷最高刑で厳しく処罰している。カリフォルニア州は、児童への性的虐待で2度以上有罪判決を受けた犯罪者に対し、物理的去勢と化学的去勢の一つを義務付けている。学校で教師が児童生徒とマンツーマンで相談する時は、セクハラを巡る是非を避けようと、必ず相談室のドアを開けておく。そのような国でも、「トガニ」が起きうる隙があった模様だ。10年はバラク・オバマ大統領の小学生の2人の娘が通っていた学校でも、教師による児童へのわいせつ事件が起きた。

◆全国市道教育庁によると、05年から昨年8月まで、青少年対象の性的犯罪を行った教員は計58人だ。その半分が、自分の学校の児童生徒にいやらしいことをした。58人中26人は停職や減俸、譴責などの軽い処分に止まった。これに比べ、米教育当局は、該当学校全体を全て入れ替える断固とした措置を取った。警察が学校内暴力を放置した教師を処罰すると発表すると、教員団体である全国教職員労働組合が、「教師だけに責任を転嫁する」と反発している。児童生徒と毎日顔を合わせ、教育を担当する教師は、いかなる形であれ、学校暴力の責任は避けられない。

李亨三(イ・ヒョンサム)論説委員 hans@donga.com