第19代国会議員総選挙が約70日後に迫ったが、国会はゲームのルールである選挙区を決めることもできずにいる。民間の有識者で構成された国会選挙区画定委員会が、昨年11月に新たな案を作成して国会の政治改革特委に報告したが、選挙区を画定する与野党交渉は2ヵ月近く空転している。
新案は、京畿道水原市勧善区(キョンギド・スウォンシ・クォンソンク)や坡州(パジュ)など8つの選挙区を分け、釜山南区(プサン・ナムク)甲・乙、全羅南道麗水(チョンラナムド・ヨス)甲・乙など5つの選挙区を合わせる内容だ。人口が最も多い選挙区と最も少ない選挙区の最大の人口偏差を3対1に合わせた。地方区の人口下限ラインは10万3469人、上限ラインは3倍の31万406人に定めた。この基準は、01年の憲法裁判所の決定によるものだ。憲法裁判所は、人口偏差が3対1を超えれば、平等選挙に反するとしている。
野党民主統合党は、慶尚道(キョンサンド)で3議席、全羅道(チョンラド)で1議席減らす案を提示した。しかし、与党ハンナラ党は、自党の強勢地域の選挙区を減らそうとする主張に不満が多い。ハンナラ党は、党所属政治改革特委の幹事をすでに2人も代えたが、まだ独自の画定案すらできていない。地方出身の国会議員が、人口が減少する地方の選挙区の縮小に反発し、画定自体が漂流している。
現行の公職選挙法には、選挙区画定の手続きだけで、総選挙の何日か前までには、選挙区を定めなければならないという規定はない。与野党が最後まで顔色をうかがいながら、密室談合で選挙区を調整することが定例となっていた。今回の総選挙から導入される在外国民選挙のために、2月11日までに、国会不在者申告人名簿を作成しなければならず、選挙区をそれ以前に画定しなければならない。画定の遅延は、現役議員の顔色をうかがうことに汲々とし、該当地域の有権者と立候補者の混乱を放置する政治的欺瞞行為に相違ない。
憲法裁判所は01年の決定文で、「相当な期間が経過すれば、人口偏差2対1を基準に違憲かどうかを判断しなければならない」と明らかにした。現在、米国は1対1、ドイツは1.3対1、フランスは1.5対1の水準だ。もし誰かが10年前の3対1の基準は違憲だと訴訟を起こせば、憲法裁判所は受け入れるだろうという声もある。国会政治改革特委は、憲法裁判所の決定の趣旨を最大限に生かす方向で、選挙区画定の原則と基準を早急に作成しなければならない。与野党が全党大会の「現金封筒」を事実上合法化する政党法改正案にはあっという間に合意しながら、緊急を要する選挙区の画定には躊躇するのであるなら、政治改革特委は「政治退行特委」という烙印を押されることになるだろう。






