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防腐処理後に一般公開される遺体、金総書記の意向かは疑問

防腐処理後に一般公開される遺体、金総書記の意向かは疑問

Posted December. 30, 2011 08:41,   

北朝鮮は19日、国家葬儀委員会の公報の形で金正日(キム・ジョンイル)総書記死去の事実を伝え、「金委員長の遺体を錦繍山(クムスサン)記念宮殿に安置し、17日から29日までを哀悼期間とする」ことを明らかにした。このため、金総書記の遺体は故金日成(キム・イルソン)主席のように永久防腐処理され、錦繍山記念宮殿に安置された後、一般に公開されるものとみえる。

しかし、本当にそうだろうか。まだ金正恩(キム・ジョンウン)労働党中央軍事委副委員長に父親の権威と「孝」のイメージが必要だということに疑問はない。だからといって金総書記の遺体が永遠に記念宮殿に保存されると断定することは難しいという観測も流れている。

まず、隠遁を好んだ金総書記の性格上、自分の遺体を一般人が毎日参観するように容認したかどうかも疑問だ。金主席の遺体の永久保存を決めたのは金総書記だ。「永生」を強調し、父親に対する住民の畏敬の念を統治に活用するためだった。しかし、自分に対する住民の感情が良くないことを知っていた。金総書記は83年、自分に歓呼する人々を見て、「あれはみな偽りだ」と言ったと、当時北朝鮮に拉致された申相玉(シン・サンオク)監督が証言した。

北朝鮮事情に詳しい消息筋は、金総書記が以前に自分の遺体を埋葬しないよう指示を与えたと伝えた。しかも、最近相次いだ独裁国家の崩壊と統治者の惨めな末路を目の当たりにした金総書記としては、自分に対する後世の評価を憂慮して生前に遺言を残した可能性が高い。錦繍山記念宮殿が以前は金主席の官邸に使われた主席宮だったため、金総書記がここに父親とともに安置されることも、象徴性を重視する北朝鮮としてはぎこちない。

さらに、旧社会主義国家も、レーニンや毛沢東、ホーチミンのような建国指導者の遺体だけを永久保存処理した。現在、血統しか掲げるものがない後継者の金正恩(キム・ジョンウン)氏の状況でも、経済の再建に失敗した父親よりも祖父を強調する必要がある。脱北者団体のNK知識人連帯は28日、北朝鮮消息筋の話として、「一部の幹部が忠誠心を示そうとして金正恩氏の銅像建設のための募金運動を始めたが、金正恩氏の指示で中止になった」と伝えた。

北朝鮮が以前から、76年に死去した中国の周恩来首相の葬儀方式を高く評価してきたことも注目する必要がある。周恩来首相は、文化大革命の狂気が始まった65年、自分の遺体を火葬して祖国の地に撒くよう遺言に残した。その後、頳小平、頳潁超ら中国指導者の葬儀も同じ方式で行われた。



zsh75@donga.com