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北朝鮮潜水艇の不審な動き、沈没当日に韓国軍警戒せず 「天安艦事件白書」公開

北朝鮮潜水艇の不審な動き、沈没当日に韓国軍警戒せず 「天安艦事件白書」公開

Posted March. 25, 2011 07:59,   

24日に発刊された「哨戒艦『天安(チョンアン)襲撃事件白書』には、△事件発生前、軍当局の粗雑な対北朝鮮警戒態勢、△事件直後の初動措置の混乱、△事故調査の不備な点、△国民との意志の疎通不足など、全般的な問題点に対する軍の痛烈な「自己反省」が含まれている。国防部関係者は、「天安艦事件での失敗を二度としないよう歴史的教訓とするという趣旨で厳しく評価した」と述べた。

●「消えた潜水艇、知りながら粗雑な対応」

白書は、北朝鮮の奇襲の可能性に対する不十分な情報分析と粗雑な対応で、天安艦沈没事件が起きたと分析した。09年11月、大青(テチョン)海戦直後、北朝鮮の潜水艇が北西海域で密かに進入し、魚雷で韓国の艦艇を攻撃する可能性を予想し、警戒態勢を強化したが、天安艦事件発生5週間前の昨年2月18日、特異な挑発の動きはないとしてこれを解除したと指摘した。

特に、沈没3日前の3月23日から、北朝鮮海軍第11戦隊のサンオ級潜水艦とサンオ級潜水艇、予備母船が基地から出港後、行方が分からず、事件当日も、基地を離れたサンオ級潜水艇と予備母船数隻の行方が分からなかったが、軍当局は対潜水警戒態勢を強化しなかった。

●「報告遅れ、しかも不正確…釈明に汲々」

事件初期、軍の危機管理システムに伴う対応措置も、「自己反省」の俎上に上った。天安艦沈没の状況が、合同参謀本部議長など軍首脳部に時間が経ってから報告され、韓米連合軍司令部にも事件発生から43分後に伝えられるなど、初期対応に支障が生じた。

また、沈没原因を巡る判断に混乱を来たし、外交安保関係長官会議でも、北朝鮮の攻撃の可能性に対する慎重な判断を強調し、迅速で体系的な状況措置がなされず、初期対応がスムーズに行われなかった。さらに、生存者の救助と北朝鮮潜水艦の追跡など、事件が最初に発生した時間が不正確に報告され、夜間暗視感知装備(TOD)の現場映像などの資料が十分に共有されず、釈明に汲々としたメディア対応で、国民の不信を招いたと指摘した。

●「無理な救助、生存将兵に不十分な対応」

捜索・救助の初期に、緻密な状況分析がなされず、天安艦の艦体と共に海へ沈んだ将兵の「69時間の生存の可能性」のため、艦体の引き揚げが遅れたと反省した。世論に押された無理な救助でハン・ジュホ准尉が犠牲となり、潜水病患者も発生する副作用がもたらされたという指摘も含まれている。

また、海軍の救助艦と掃海艦が、鎮海(チンヘ)基地から現場海域への移動に20〜40時間かかり、大統領府と国防部、一線の部隊に至る有機的な連携体制が不十分だったことを指摘した。さらに、天安艦の生存将兵が、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などで苦痛を受けたものの、彼らに対する安定化プログラムが不十分だったと反省した。

●「別機種の魚雷公開、呆れる失態」

軍当局は、天安艦事件が類例のない安保危機事態だったため、初期の合同調査団の構成過程で、様々な不備な点が露わになったと指摘した。また、合同調査団が昨年5月20日、事件の総合発表で、天安艦を攻撃した北朝鮮の魚雷を説明する際、別機種の魚雷の絵を公開する失態を犯し、混乱を招いたと指摘した。

●「疑惑への対処不十分、国民の不信を招く」

事件初期、軍首脳部が、国会や各政党の報告などがあまりに頻繁に行われ、現場の状況把握や救助作業など、後続措置に困難が生じたと指摘した。軍当局が機密とセキュリティを理由に情報を遮断し、座礁説と米軍潜水艦衝突説など、各種疑惑に十分に対処できなかったため、偏った世論が形成され、これにより国民の不信を招いたと指摘した。



ysh1005@donga.com