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智異山の村「月輪熊との戦い」

Posted October. 30, 2010 10:57,   

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智異山(チリサン)に放されたツキノワグマの餌が減り、月輪熊が餌を求めて、周辺の村を襲う可能性が高まっている。これを受け、国立公園管理公団は、智異山ふもと周辺の村全体に、「ツキノワグマに対する防御施設」を設置するなど、非常体制に入っている。

国立公園管理公団・絶滅危機種復元センターは29日、「ツキノワグマが下りてくるのを防ぐため、智異山に隣接する全羅北道南原市(チョンラブクド・ナムウォンシ)や全羅南道求禮郡(チョンラナムド・グレグン)、慶尚南道(キョンサンナムド)の咸陽(ハムヤン)・山鋻(サンチョン)・河東(ハドングン)地域に位置する村周辺に電気柵を設置している」と明らかにした。また、同センターは、月輪熊の耳や首につけている無線追跡電波発信機を通じ、毎日、月輪熊の活動半径について分析を行っている。

非常警戒令が出された理由は、例年に比べ、月輪熊の餌であるどんぐりの実の量が30%に過ぎないためだ。現在、智異山には自然環境で生まれた2頭の小熊や10月に放された1頭など、計17頭の月輪熊が生息している。国立環境科学院の金ウォンミョン研究員は、「月輪熊は主に水平で移動するが、簡単に多くの餌が取れる畑や田んぼが周辺にあれば、特有の『戦略的採集習性』のため、垂直移動をする」と話した。

問題は、智異山の場合、標高700メートル以下は、国立公園の境界の外で、そのほとんどが私有地だということ。様々な畑や田んぼには、農民らがいのししの捕獲のために取り付けた罠が設置されている。現在まで殺されたツキノワグマ11頭のうち4頭は、民家のほうに近づき、罠や農薬を飲んで死んだ。復元センターのヤン・ドゥファ復元研究課長は、「かつては、被害をこうむった農家だけが電気柵を設置したが、警戒態勢に入っているだけに、村全体に防御施設を設置することになった」と言い、「月輪熊を保護する一方、住民らを守るための方針だ」と語った。

一方、公園公団は、ツキノワグマ復元事業を巡り、全面的な見直しに入る方針だ。04年に始まったツキノワグマ復元事業は、12年までに智異山に50頭の月輪熊を生息させるのが目標だった。しかし今年まで、計32頭を放した結果、11頭は死亡、4頭は自然適応に失敗するなど、月輪熊復元事業は事実上、失敗したのでは、という指摘が持ち上がっている。

公園公団は、海外研究チームの諮問や変数を入れ、復元可能な数を巡り、再びシミュレーションを開始した。公園公団の関係者は、「月輪熊の出産率が落ちている上、肉食中心のヒグマを基にした従来の復元データを活用したため、菜食中心の月輪熊とは様々な面で合わなかった」と言い、「シミュレーションの結果を基に、月輪熊復元事業を17年まで、50頭が生息する方向に見直す計画だ」と明らかにした。



zozo@donga.com