●モバイルは音声で
密かな社内恋愛。人前で大っぴらにメールを送ることができない状況。男性が独り言を言うように「週末、何しようかな」と言うと、女性のスマートフォンが鳴る。女性は周囲の様子を伺いながら、「最近、何の映画がおもしろいかな」と言う。男性は映画の検索を始める。
グーグルコリアが、「音声入力のグーグルモバイルサービス」をスタートし、発表した動画だ。その後、李ヘミン・プロダクトマネージャーが試演した。「今、運転中ですが、道が混んでいます。30分後に尋ねても大丈夫ですか」と言うと、すぐにスマートフォンのウィンドウに文字で書き込まれる。ただ、分かち書きは合っていなかった。李マネージャーは、「Gメール(グーグル電子メール)やグーグルトーク(メッセンジャー)で、よく使用される文章は、早口で言ってもしっかり理解する。しかし、人の名前や数字は学習がもう少し必要だ」と説明した。
同日、米国現地から画像で記者懇談会に出席したグーグルのマイク・シュスター音声認識研究員は、「電子メールやチャットに使われる言葉は文章が長く、単語を配列すると数が多いため、数百万の表現を学習させなければならなかった。韓国の記事やブログ、様々なウェブページを参考にし、メールの配列や使用法などを認識させた」と説明した。
6月にスターとした韓国語の音声検索は、英語、中国語、日本語に続き8番目。しかし、今回のサービスは、世界で英語に続き2番目だ。シュスター研究員は、「現在、10言語以上の音声検索サービスをしているが、その中でも韓国語の音声検索が、正確で反応が良かった点を考慮した」と話した。
グーグルコリアは、ナビゲーションを音声で行う「音声アクションサービス」、他国の言葉に翻訳する「音声通訳サービス」などを出す予定だ。
●グーグルの開放性どこに?
グーグルの新サービスは、アンドロイド2.2のオペレーションシステム(OS)を使うスマートフォンでのみ可能だ。LG電子「オプティマスワン」には基本的に入っている。三星(サムソン)電子の「ギャラクシーS」と「ギャラクシーU」は、まず2.2バージョンにアップ後、アンドロイドマーケットで「グーグル・ハングルキーボード・アプリケーション」をダウンロードしなければならない。一方、アイフォン用のアプリケーションは出ていない。
シュスター研究員は、「現在、アイフォンに『音声入力のグーグルモバイルサービス』を搭載する計画はない。アイフォンキーボードにアクセスする権限がないためだ。アンドロイドでのみ使えるようにする具体的な目標があるわけではないので、今後は別のOSでできる可能性がある」と話した。
グーグルはこれまで、音声検索など別のサービスがスターとすると、すぐにアップルのアップストアにも出した。多くのユーザーが、革新技術を利用できるように「開放性」を前面に出すためだ。業界からは、グーグルがアイフォン用の音声アプリケーションを作ることが可能であるにもかかわらず、作らないのは、新サービスをアンドロイドフォンだけの「キラー」サービスに縛っておく戦略ではないか、という指摘が出ている。
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