今年7月、金泰均(キム・テギュン)を取材するため、日本プロ野球日本ハムとロッテの試合が行われた札幌ドームへ行った時のことだ。日本ハム担当と自ら名乗ったある記者は、「巨人の2軍にいる李承鎏(イ・スンヨプ)が日本ハムに来たら、すぐ4番になれるのに…」と残念がった。彼は、「日本ハムは、巨人のようにお金を使う球団ではない。年俸の大幅な削減が受け入れられたらの話だが」という条件付きだった。
先月31日、LGとネクセンの蚕室(チャムシル)試合で、始球を行った在日韓国人野球選手、張勲(チャン・フン、日本名=張本勲)さんは、「李承鎏がシーズン終了後、横浜へ移籍するかも知れないという話を聞いた」と話した。張勲さんは、日本プロ野球通算最多安打記録(3085本)を保有し、生きている伝説であるため、彼の話は信憑性がある。これに先立ち、7月、日本のマスコミから李承鎏のヤクルトへの移籍説が取り上げられた。
李承鎏は、6月20日の中日戦以後、2軍に降格されてから、1軍に復帰できずにいる。最近は、外国人エントリー(4人)のうち1人は空席だが、呼ばれなかった。今季1軍の成績は、打率1割7分3厘、5本塁打、1打点に過ぎない。
しかし、依然として、多くのチームが李承鎏に関心を持っている。既に検証済みの打者であるからだ。06年、41本の本塁打に続き、07年には負傷にも関わらず、30本塁打を放った。昨年も、77試合に出ただけだが16本塁打を記録した。「機会さえ与えられたら、いつでも本塁打が打てる打者」であることを示している。今年で巨人との4年契約が終わり、移籍に障害もない。
問題は年俸だ。李承鎏は今年、日本プロ野球最高年俸と言える6億円(約84億2000万ウォン、推定)だった。これぐらいの年俸が支払える球団は巨人だけだ。阪神の事情に詳しいある関係者は、「巨人のライバルの阪神も一時、李承鎏に関心を持っていたが、年俸に負担を感じ諦めた」と話した。セリーグの外国人野手のうち、李承鎏の次に巨額の年俸の選手は、横浜のターメル・スレッジで年俸は1億8000万円だ。
金星根(キム・ソングン)SK監督は、「李承鎏が1億円以下に年俸を下げたら、欲しがるチームは多いだろう。一時、ロッテも李承鎏を再び連れ戻そうとしていた」と話した。
昨年、LGで活躍したロベルト・ペタジーニは、ヤクルトと巨人でプレーしていた当時、それぞれ7億2000万円と7億円の年俸だったが、今年ソフトバンクと4000万円で契約した。プロはお金でものを言うと言われるが、李承鎏に必要なのは名誉挽回だ。選択は彼次第だ。
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