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麻薬取引も、脱北者の拉致も…ことごとく失敗したスパイ

麻薬取引も、脱北者の拉致も…ことごとく失敗したスパイ

Posted May. 26, 2010 03:20,   

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ソウル中央地検公安1部(李鎮漢部長)は25日、北朝鮮の指令を受けて麻薬を取り引きし、脱北者を拉致しようとした容疑(国家保安法違反)で、韓国国籍の金某容疑者(55)を拘束起訴した。

検察によると、金容疑者は99年、ヒロポンの密搬入の容疑で捜査を受けていたが、中国に逃亡した。不法滞在中だった金容疑者は00年2月、ヒロポン販売をえさに近づいてきた北朝鮮保衛司令部所属の女性工作員金某氏(49)の誘惑で同棲を始め、同年ともに平壌(ピョンヤン)に行った。北朝鮮で、中佐(韓国軍の中佐)階級まで受けた金容疑者は、スパイ教育を受けた後、保衛部所属の海外工作員として活動を始めた。初めての任務は、中国で活動する韓国の国家情報院職員の身辺情報を収集することだった。

00年4月には、中国で脱北者を助ける金某氏(62)を誘引して北朝鮮に送ろうとしたが、成し遂げられず、北朝鮮のミサイル基地で勤務した経歴がある20代の脱北女性らを拉致して、北朝鮮保衛部の幹部に引き渡そうとしたが、中国公安に摘発されて失敗した。また、保衛部保衛部長シン某氏の指示を受けて、北朝鮮の外貨稼ぎ事務所からヒロポン2キログラムを受け取り、中国の麻薬取引業者にサンプルを提供するなど、ヒロポン約50キログラムを中国と韓国などで取り引きしようとした。しかし、金容疑者は、脱北者の拉致と麻薬取引に続けて失敗し、03年4月、海外工作員の資格を剥奪された。その後、中国で麻薬取引を続けて中国公安に追われる身となり、先月8日、仁川(インチョン)空港を通じて密入国して逮捕された。金容疑者と同棲していた女性工作員も07年11月、麻薬1.5キログラムを中国から北朝鮮に密搬入しようとして検挙され、懲役18年の刑を言い渡され、中国で服役中だ。

検察関係者は、「北朝鮮が外貨稼ぎの手段として麻薬を取り引きしているという情報が初めて事実として明らかになった事件だ。北朝鮮の反体制要人を捜索していた保衛部が、00年代に入って、韓国人を引き込んで、韓国に対する情報収集と工作活動をともに行っていたことが確認された」と明らかにした。



bell@donga.com