児童対象の性犯罪を巡る根本的な対策が急務だという世論が高まっている中、裁判所が、父親や親戚によって日常的に性的暴行を受けてきた子供や、被害児童の兄弟を保護するために検察が申請した親権喪失審判の請求を相次いで認めている。
ソウル家庭裁判所・家事2部は8日、娘への性的暴行容疑で拘束・起訴された李某被告(45)に対し、Aさん(15)やAさんの姉(18)への親権の剥奪を求める申請を、ソウル中央地裁が受け入れたと明らかにした。
裁判部は、「李被告が自ら親権者であることを放棄し、娘に対し性的暴行を加えたとしたら、親権を行使できない重大な事由と認められる」と判断した。李被告は昨年8月と9月に、自宅で数回に渡り、次女のAさんに対して性的暴行を加えた容疑で、1審で懲役7年、2審では懲役4年が言い渡された。
今年2月、大田(テジョン)地裁・家庭地裁・家事部も、子供らの目の前で、娘に対し性的暴行を加え、子供まで生ませたもう一人の李某被告(50)を相手に、大田地検が申請した親権喪失請求が受け入れられ、被害当事者だけでなく、二人の子供の親権も全て喪失させる決定を下した。李被告は、1998年から娘に対し頻繁に性的暴行を加えた上、わいせつ行為を行った容疑で、昨年起訴された。自宅に預けていた姪らへの性的暴行の容疑で、04年、懲役2年に執行猶予3年の判決を受けた前歴もある。裁判部は、「李被告の犯罪事実や『子供らが望むなら、親権喪失に反対しない』という李被告の供述を考慮し、このような決定を下した」と明らかにした。
同月、光州(クァンジュ)地裁・家庭地裁・家事部も、光州地検からの申請を受け入れ、眠っていた娘に、数度に渡り性的暴行を加えた容疑で、懲役10年を言い渡されたシン某被告(51)の親権を剥奪した。
07年7月に新設された児童・青少年の性保護に関する法律第14条1項では、加害者が親権者や後見人である場合、検事が裁判所に対し直接親権喪失の言い渡しを請求できるように定めている。民法でも、検事が被害者ではない子供にまで親権喪失を請求できる規定を設けている。ソウル家庭裁判所の関係者は、「親族間による性的暴行事件の場合、親権者である母親や親戚らは、事件が明るみに出るのを恐れ、親権喪失請求を嫌う傾向がある」とし、「最近、子供への性犯罪が社会的問題と浮上し、検事が親権喪失を請求する事例が増えている」と話した。
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