Go to contents

北朝鮮の西海砲撃「キム・ジョンウン氏が指揮」 北朝鮮筋が明かす

北朝鮮の西海砲撃「キム・ジョンウン氏が指揮」 北朝鮮筋が明かす

Posted March. 02, 2010 09:42,   

한국어

今年の初め、北朝鮮が西海(ソヘ=黄海)上の北方限界線(NLL)で行った砲撃訓練は、金正日(キム・ジョンイル)総書記の三男で後継者とされるキム・ジョンウン氏が直接指揮したと、北朝鮮の消息筋が最近明らかにした。また、金総書記は、平壌(ピョンヤン)の万景台(マンギョンデ)近隣にある軍事大学を卒業したとされるキム・ジョンウン氏の卒業論文に基づいて昨年初めに実施された砲撃訓練の現場を数回訪問し、激励したという。

●砲兵学を専攻したキム・ジョンウン氏

同消息筋によると、金正雲氏は、北朝鮮最高の軍事大学である金日成(キム・イルソン)軍事総合大学砲兵学科で2年間、個別授業を受けた。選らばれた教授陣が、顔を見えないように特殊ガラスを間に置いて、金正雲氏に講義したという。金正雲氏が気に入った数人の教授だけが例外的に直接対面して話ができたと、同消息筋は伝えた。

金総書記が昨年1〜3月、砲兵部隊を毎月訪問し、砲撃訓練を参観する前例のない行動を取ったのも息子の金正雲氏のためだと、同消息筋は伝えた。この砲撃訓練は、キム・ジョンウン氏の大学卒業論文を再現して行われ、砲撃の総指揮官もキム・ジョンウン氏が務めたという。日本の毎日新聞が昨年10月に報じた北朝鮮の金正雲氏の偶像化関連の講演資料によると、「金正雲氏は、現代軍事科学と技術に精通した天才であり、砲兵部門に非常に精通し、立体感と正確度を備えた新たな軍事指導を築いた」という。

●西海砲撃は精密打撃能力の誇示用

北朝鮮が今年1月27日と28日にNLLで行った砲撃は、同時弾着砲撃だった。TOT(Time On Target)とも呼ばれる同時弾着砲撃は、特定の地点に各種口径の砲弾が同時に落ちることをいう。北朝鮮は当時、130ミリ海岸砲、170ミリ自走砲、240ミリ放射砲などを使って、約100発撃った。当時、専門家たちは、北朝鮮の砲弾が目標地点に正確に落ちたと分析した。これは、昨年、金正雲氏が直接指揮し、金総書記が参観した砲撃と同じ方式だ。消息筋によると、今回のNLL砲撃は、対外的にはソウルの特定地点を精密打撃する能力があるということを誇示し、内部的には金正雲氏の政治功績を宣伝することが目的だ。

これと関連して、北朝鮮中央テレビは先月16日、ドキュメンタリーを通じて放射砲や長射程砲が砲弾を連射する様子を30秒ほど放送した。同番組を通じて、西海の砲撃が行われる10日前の1月17日、金総書記が、240ミリ放射砲約10台が動員された陸海空合同軍事演習を参観したという事実が明らかになった。これは、北朝鮮の1月末の軍事挑発が、金総書記の承認の下で金正雲氏が直接指揮したことを暗示している。

いっぽう、消息筋によれば、北朝鮮は内部講演を通じて、金正雲氏が砲撃だけでなく、昨年4月と5月に行われた「祝砲夜会(花火と舞踏会)」を準備し、コンピュータ模擬実験まで指揮するほど先進技術に精通していると宣伝した。また、昨年4月の「人工衛星」発射の成功も、金正雲氏の政治的功績と宣伝している。

●後継構築が進展

いっぽう、金正雲氏を後継者に掲げる事業は早く進行していると、同消息筋は伝えた。特に、「先軍政治」を標ぼうする北朝鮮らしく、この事業は軍が率先して実践しているという。キム・ジョンウン氏の偉大さを宣伝する講演会の場合、労働党の講演会は昨年5月から開かれたが、軍は昨年1月にすでに高位級指揮官の講演会で、「金正雲氏同志の指導体系を築くことについての問題」を話し合ったという。金正雲氏の称賛の歌である「歩み」も昨年2月に軍隊にまず普及し、数ヵ月後、社会に普及したという。

金正雲氏を後継者に指名して約1年が過ぎ、早くも労働党や労働団体のすべての計画書と決定書、報告書には、「金正雲氏指導体系樹立」事業が含まれている。北朝鮮の労働党入党加盟請願書、幹部履歴書、宣誓などのあらゆる誓約文にも、最後に金大将同志の指導の下に行われると書かなければならない。



zsh75@donga.com