Go to contents

北朝鮮、韓国への工作・スパイ派遣部署を統合

北朝鮮、韓国への工作・スパイ派遣部署を統合

Posted February. 18, 2010 08:48,   

한국어

北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が昨年、党・軍・政府を網羅する権力機関の内部組織を大幅に改編したことが確認された。三男の金正雲(キム・ジョンウン)氏の後継構図を構築し、10年ぶりに政権を取り戻した韓国保守政権に対する攻勢と社会主義計画経済の復元に力を入れるための措置とみえる。金総書記の信任を得た「パワーエリート」らも、要職に新たに登場した。

●党・軍・政府にわたる組織改編

統一部が、17日に発刊した2010年版『北朝鮮権力機構図』や『北朝鮮主要人物』などによると、北朝鮮は昨年、労働党の専門部署内で、金総書記の統治資金を管理する38号室と39号室を39号室に統合した。これは、三男の金正雲氏の後継構図の構築と関連があると専門家らは分析する。世宗(セジョン)研究所の鄭成長(チョン・ソンジャン)首席研究委員は、「金総書記は、統治資金の管理部署が一つでこそ、金正雲が管理しやすいと判断したのだろう」と話した。

韓国へのスパイ派遣と工作業務などを担当した労働党35号室と作戦部も、国防委員会傘下の人民武力部偵察総局に統合された。08年に、韓国で保守的な李明博(イ・ミョンバク)政権が発足した状況で、金総書記の健康が悪化したため、国防と体制維持の次元で、韓国への偵察と工作活動を強化するための措置とみえる。韓国へのスパイ海外活動を担っていた労働党対外連絡部は、内閣傘下の225部に移管された。党傘下の対韓国組織のうち、「南朝鮮の国家保安法の撤廃に向けた対策委員会」は、廃止されたものと把握された。

内閣では、住民の生活苦を解決するため、組織改編の跡が目についた。食料日用農業省、首都建設部、国家科学技術委員会が新設された。農業省、商業省、財政省、電子工業省、国家科学院などの経済分野と、金正雲氏の関心が高いとされる科学技術分野の部署長も、大半が交替となった。労働党にも、軽工業部が復活した。廃止された内閣傘下の対韓国経済協力機構の民族経済協力委員会も、内閣の直属機関として残されたことが確認された。

●新たな地位が確認されたパワーエリートら

金総書記の妹の金敬姫(キム・ギョンヒ)氏は、労働党軽工業部長に再起用されたことが確認され、夫の張成澤(チャン・ソンテク)労働党行政および首都建設部長とともに、夫婦で部長となった。金部長は97年7月、党軽工業部長に就任したが、03年からは公式の席上に姿を現わさなかった。軽工業部もなくなっていた。しかし、金敬姫氏は昨年6月以降、金総書記の公開活動に随行し、活動を再開した。昨年は12回、今年はすでに6回も、金総書記に随行している。

08年10月以降、開城(ケソン)工業団地に現われ、韓国の企業家に陸路通行を遮断できると脅かした金英徹(キム・ヨンチョル)国防委政策室長(当時)は、人民軍偵察総局の総局長に移動したことが確認された。06年5月以来、姿を現わしていない康𨛗周(カン・クァンジュ)元労働党対外連絡部長は、新設された内閣225部の部長を務め、健在であることが分かった。

対韓国ラインでは、浮き沈みが克明に現われた。安京浩(アン・ギョンホ)祖国平和統一委員会副委員長兼書記局長は、労働党統一戦線部の副部長に昇進した模様だ。金大中(キム・デジュン)、慮武鉉(ノ・ムヒョン)政権当時、韓国との交渉を主導した権虎雄(クォン・ホウン)元内閣参事と処刑説が流れていた崔承哲(チェ・スンチョル)元副部長は、08年以降の公開活動の内容と現在の職が全く確認されなかった。



kyle@donga.com zeitung@donga.com