Go to contents

「宣言でなく方法論示すべき時期」デンマークの環境英雄が韓国に苦言

「宣言でなく方法論示すべき時期」デンマークの環境英雄が韓国に苦言

Posted October. 30, 2009 08:42,   

한국어

「グリーン成長は先進国による選択ではなく、義務であり、韓国のグリーン成長の戦略を高く評価します。ただ、これからは『宣言』を乗り越え、どのようなやり方で実践に移すかを巡り、具体的な方法論を示すべき時期に来ています」

28日、第3回経済協力開発機構(OECD)の世界フォーラムが開催された釜山市海雲臺区佑洞(プサン・へウンデグ・ウドン)のベクスコ(BEXCO)で会ったデンマークの「環境英雄」、サムセ・エネルギー・アカデミーのセレン・ヘルマンセン所長(写真)。氏は韓国政府のグリーン成長戦略を称えながらも、具体的な実施方策が見られないと惜しんだ。

デンマーク・ユトランド半島の東側の小島、サムセの住民である氏が、自信を持ってこのようなアドバイスを行うのには、わけがある。10年余り前までは、デンマークの本土から持ち込む石炭や石油に頼っていたサムセが、新再生エネルギーによってエネルギーの自立を図り、世界から注目を集める島として生まれ変わるのに、ヘルマンセン所長が決定的な役割を果たしたためだ。サムセの成功ストリーが伝わり、米国のニュース週刊誌「タイム」は昨年9月、氏を環境英雄に選定した。

環境英雄という異名と共に、「グリーン使徒」ともいわれているヘルマンセン所長のサムセ物語は、1997年10月に遡る。当時、デンマーク・環境エネルギー省主催の再生エネルギーのアイデア競技大会で、この島で生まれ育ったヘルマンセン所長のアイデアが採択された。10年後に、そこを新再生エネルギーによって自給を図る島として育成するという構想だった。

しかし、先祖代々、酪農や養豚業に携わってきた住民らの反応は冷たかった。「アイデアはあっても、あまりにも漠然としていました。手をこまねいて疑いの目で見る住民らを相手に説得を行うのが大変でしたね。資金を集めることも容易ではありませんでした」。

住民を一人ひとり歩き訪ねながら、新再生エネルギー事業が環境にやさしいだけでなく、「お金になる」事業であることを積極的にPRした。その結果、住民らは金を出し合い、最初のプロジェクトである風力発電所の事業に、持分投資を始めた。

島の住民4300人中10%以上の450人が11基の風力発電所の持分に投資した。これまで、ここの新再生エネルギーシステム作りに8400万ドルがかかったが、このうち7200万ドルは、住民らの財布から出たものだ。このような投資のおかげで、サムセは、ほぼ100%の住民らの参加で、新再生エネルギーにより電力をまかなう世界初の事例として取り上げられている。発電量は島全体の電力需要を上回っており、余る分はデンマーク本土に販売。手にした収益は、持分に応じて分けている。

「特定企業が町の周辺に風力発電施設を建設すれば、住民らは批判をしますが、自ら風力発電機を運営し、収益まで手にすれば、変わります」

風力発電事業の成功をばねに、廃木材や藁を燃やして熱を生産するバイオマス、太陽光発電所、海上の風力発電までが相次いで成功し、サムセは新再生エネルギーの臨場感あふれる展示場へと生まれ変わった。住宅ごとに屋根の上に太陽光パネルを設置すると、住民らの間では、「お金を銀行ではなく屋根に貯めている」という言葉まで出るほどだった。

島では前向きなシグナルが生まれ始めた。二酸化炭素の排出量は1997年比140%も減少し、「炭素ネガティブ(negative)島」へと生まれ変わった。さらに雇用は増え、人々の表情は明るくなった。

サムセの成功物語を韓国にも適用できるだろうか。ヘルマンセン所長の答えは、「可能だ」という。

「デンマークは風(風力)が強いけど、韓国は太陽がいいですね。太陽光システムをまずお勧めします。まず、小規模でもいいから始めることが肝心です。そうすればおのずと雇用も生まれるでしょう。エネルギー・コストを削減すれば、次第に隣の町にも広がることになります」



lovesong@donga.com