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[オピニオン]別荘

Posted October. 07, 2009 07:51,   

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王族や富豪、あるいはハリウッド俳優レベルの人々が所有することのできた別荘が、平凡な人々の生活の中に入ってから久しい。全米不動産協会によると、サブプライム・ローン(低所得者向けの住宅ローン)事態が起きる前の05年、米国で取引された住宅の40%が別荘、すなわちセカンド・ホーム(second home)だった。韓国でも国民所得2万ドル時代を迎え、週末は都市を離れ、海辺や森のように景観の優れたところで、静かな暮らしを楽しもうと、コンドミニアムや別荘文化が広がっている。

◆米国では、定期的に別荘と住宅を行き来する人々を示す言葉まで登場した。「分かち合う」という言葉から出た「スプリッター(splitter)」がそれである。彼らのために有用な情報を提供するスプリッター・ドットコム(www.splitters.com)というウェブサイトもある。しかし、別荘の持ち主は依然、お金持ちと同様の意味で使われる。映画俳優のアンジェリーナ・ジョリーやブラッド・ピットのカップルが最近、フランスに7000万ドル(約728億ウォン)の超豪華住宅を購入したというニュースを耳にすれば、「さすが、金持ちは違うな」という気がする。

◆米国のブッシュ前大統領も自分の別荘であるテキサス・クロフォード牧場で休暇を過ごすのを楽しんだが、別荘を特に好んだ人々は共産主義国家の指導者たちだ。旧ソ連の強権統治者スターリンは、クレムリン宮殿に止まらず、故郷の現在のグルジア共和国の黒海周辺のソチにある別荘に人々を呼んでは統治を行った。1989年に処刑されたルーマニアの独裁者、チャウシェスクも、人々を寄り付けない深い山林や海辺に別荘を作り、過ごすのを楽しんだ。キューバのカストロ国家評議会議長も、病気の後は別荘に止まる時間が増えている。

◆北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が北朝鮮の各地に33ヵ所の豪華別荘を持っていることが、国政監査の中で明らかになった。世界における個人別荘としては最も多いのではないかと思われる。別荘の敷地を全部合わせれば、一山(イルサン)新都市規模の2倍を超えるという。航空機や乗用車の利用を嫌う金総書記のための専用列車駅も28ヵ所に上るという。別荘がこれほど多いのは、住民による蜂起や米偵察衛星による監視を避けるために身を隠すための目的である可能性が高い。住民の膏血によって維持されるこのような豪華別荘こそ、北朝鮮らしい独裁維持のためのコストである。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com