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女子サッカーの釜山尚武、「射撃よりサッカーがやり易い」

女子サッカーの釜山尚武、「射撃よりサッカーがやり易い」

Posted April. 30, 2009 07:09,   

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「忠誠!」。23日、京畿道城南市(キョンギド・ソンナム)市の国軍体育部隊の練兵場。力強く大きい敬礼の声が、爽やかな春の空に響いた。主人公は、まだ少女の気配を漂わせている女子サッカー釜山尚武(プサン・サンム)の選手たちだ。練習を参観するために訪れた李ジョンウン部隊長に向け、「忠誠!」を叫ぶ姿は、海兵隊も頭を下げるほど、上々の出来だった。

「最初のうちは敬礼をするどころか、受けることも下手だったんです」。チェ・ジヘ下士(25)は、任官後、初めて部隊に来た時を思い浮かべながらこう語った。チェ下士は、「兵士たちが敬礼をすると、誰にしているのか分からなく、周囲を見回したり、逃げたりもした」と笑いながら語った。もう彼女は、尚武に来て2年経ち、歴とした先輩。「忠誠!」を叫ぶ兵士らに「ご苦労さん」と微笑む余裕までできた。

20日開幕した女子実業サッカー・WKリーグに合わせ、汗を流す釜山尚武の選手らは、みんな階級が下士(軍曹にあたる)の軍人という身分だ。入団前に5週間の軍事訓練に11週の特技教育まで厳しい訓練に耐えた。サッカーの他に、精神教育や射撃訓練など厳しい日々が待っている。07年、創設メンバーのシン・グィヨン下士(26)は、「馴染みの薄い軍人の身分で、厳しい軍事訓練のため、来る前は深刻に悩んだ」と語った。

しかし、創設3年目を迎える尚武は、今は女子選手が好む人気チームの一つになった。選手らが挙げた尚武の最も大きな魅力は、家族のような深い絆。特技教育の時、トイレの便座に座り、一緒に夜を明かしながら勉強した彼女らは、目を見るだけでもお互いの気持ちが分かる。

韓国サッカー史上初の女性監督である李ミヨン監督(35)は、「軍事訓練の場所へ面会に行った時、顔が荒れ、爪まで真っ黒になった選手らを見て、涙が出た」とし、「その時から、選手らはみんな『私の子』になった」と語った。尚武の選手は引退後、職業軍人になれる。英語、コンピューターなど、軍隊で提供する多様な教育も受けられる。安定的な職場である尚武は、選手の間で人気が高い。

階級が何より優先である軍隊であるため、エピソードも多い。学校に通う時は仲良くしていた選手らが、尚武では1期数の差で「天と地」の間になる。

年は上でも「兵隊」の身分である男子プロサッカー・光州(クァンジュ)尚武の選手らが、訓練場で女子選手に「忠誠」を叫ぶ風景も異彩だ。ある釜山尚武の選手は、「先日、光州尚武のチェ・ソングク二等兵(26)に出くわしたけど、わざと目をそらした。どうしても『子どもの父親』の敬礼は受けられなかった」と笑いながら話した。

今回のリーグに参加する釜山尚武の雰囲気は、いつにも増して良好だ。組織力が年を重ねるにつれ強化され、ドラフトで優れた技量の選手を選んだ。

27日、水原(スウォン)施設管理公団とのリーグ初試合では2—1で勝ち、初ボタンもきちんとかけた。同日、チームの2ゴールを決めたチェ・ソンジン下士(21)は、「初めて射撃訓練をする時、銃の反動が思ったより大きくて顔にアザができた。銃を撃つことよりは、サッカーがやり易かった」と語った。

李監督は、「今季、Kリーグの光州尚武の突風は肩を重くする一方で、いい刺激剤にもなる」とし、「部隊長に挙手の礼をするゴール・セレモニーを今季たくさん目にするようになる」と自信を表した。



niceshin@donga.com