最先端の放送通信融合サービスであるインターネットテレビ(IPTV)技術で、韓国は競争国に大きく遅れを取っている。一時、韓国は「インターネット強国」の長所を生かし、IPTV分野で先に進んだ技術力を誇った。しかし、旧放送委員会と情報通信部がIPTVを法制化する際、5年にわたる派閥争いに明け暮れた間、他の国が先に商用サービスを開始し、逆転を喫した。
昨年末、韓国も商用サービスに入ったものの、IPTV放送送出装置で中核装備の38%、セットトップボックスのような端末装置の部品の65%を輸入に依存する。中核技術を我々が先取りしていたならば、韓国内関連産業の活性化は勿論、莫大な輸出効果まで得られたはずだ。つまらない省庁エゴの争いで、IPTV装備と部品市場を外国製品に奪われてしまったわけだ。
最近、メディア産業関連法の改正案が、野党の反対で国会成立が霧散したのも、IPTVと同じく痛い後遺症を残すだろう。今回の改正案は、地上波放送の長い独占体制を崩し、放送の進入障壁を低くすることにより、競争と革新を誘導する内容となっている。ライバル国の迅速な対応と比較すれば、これもまたずいぶん遅れている。しかし、与野党は国会空転状態の収拾に際して、「近いうちに合意処理に向け、努力する」と曖昧に合意し、この法案がいつ成立するか不透明になった。
我々が自分の足を引っ張っている間、先進国は素早く動き回っている。米国は来月、アナログテレビ放送を終了し、デジタル放送へ転換する。かつてのアナログテレビでは、放送が見られないほど全面的なデジタル化だ。日本は、デジタルへの転換が11年7月。我々は13年1月にデジタル放送へ転換する。01年から準備を始めて、なんと12年がかかっているわけだ。所要資金問題をめぐる政府と地上波放送局の対立によるものだ。
メディア産業の活性化は、年間数万の雇用創出をし、関連産業の内需拡大につながる。それなのに、メディア産業を政治論理と既得権を守るための手段として、アプローチする勢力になっているわけだ。放送界と国会、政府が成すべきことを棚上げにしている間、放送通信強国の夢は、遠ざかっていくしかない。






